一般社団法人日本学校保健学会第67回学術大会

講演情報

一般演題

オンデマンドプログラム » 一般演題

保健教育4(OP-0615~0619)

西岡伸紀(兵庫教育大学)

[OP-0618] ICTを活用した担任と養護教諭による協働授業の開発~小学校担任が保健教育に感じる困難感の解消を目指したオンライン授業実践~

プレナリーセッション1

土屋綾子1,2, 野村純3 (1.大阪大学 大学院 連合小児発達学研究科, 2.千葉大学 子どものこころの発達教育研究センター, 3.千葉大学 教育学部)

【目的】小学校の保健授業においてICTを活用した担任と養護教諭による協働授業を展開することで,担任が保健教育に感じている困難感や課題を改善する.また,より専門性の高い保健教育により,児童の健康や心と体についての知識・理解を深められる授業を開発する.【方法】まず,担任が保健授業の性に関する単元で感じている困難感と課題を明確にし,養護教諭とともに教材・資料の開発を行った.次に作成した教材をもとに,担任と養護教諭が協働でTT指導またはZoomによるオンライン授業を実践した.授業後,担任と児童に事後アンケートを実施,授業の効果を分析した.【結果】保健教育や性に関する指導で担任が実践しづらいと感じている「授業の展開の仕方」や「専門用語の説明」は,指導案や教材を開発することで改善できた.「説明する知識が十分でない」,「異性の児童に説明しづらい」といった困り感は,養護教諭が協働で授業を実践することで改善し,直接的なTT指導でなくても,オンラインによる支援でも効果があることが示唆された.さらに授業前に「保健教育は嫌い」,「健康について興味が全くない」と答えていた児童は減少し,自分のからだに目を向ける児童が増えた.また,単語の理解度調査では,「よくわかる」,「少しわかる」が増加し,専門的単語を理解したことが伺える.【結論】今回開発したオンラインによる協働授業方法は,担任の困り感を軽減するとともに,コロナ対策としてもGIGAスクールにおける活用が期待される.