一般社団法人日本学校保健学会第67回学術大会

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養護教諭,保健室3(OP-0810~0814)

荒川雅子(東京学芸大学)

[OP-0814] 学校における医療的ケアを含む保健管理と養護教諭の役割 第2報

井澤昌子1, 大川尚子2 (1.名古屋学芸大学 ヒューマンケア学部 子どもケア学科, 2.京都女子大学 発達教育学部)

【目的】医療的ケアに対する意識調査から,保健管理の在り方と養護教諭の役割について検討することを目的とした.【方法】平成28年6月に開催されたA県の養護教諭研修会に参加した養護教諭を対象に「学校における医療的ケアを中心とした保健管理」について,無記名自記式質問紙調査を実施し,267名から回答を得た.第1報(2019,東京)にて,看護師免許を有する養護教諭は「エピペン」「座薬」「与薬」「ネブライザー等による薬液吸入」等の医療的ケアの必要性を感じている割合が高いこと,「エピペン」を除く全ての項目において自信度に差があることを報告した.第2報では,医療的ケアに関する考えについて看護師免許の有無別で分析し,自由記述の内容等から保健管理の在り方等について検討した.【結果】医療的ケアに対する考えについて,「看護師免許の有無に関係なく医療的ケアをすべきである」「特別支援学校には看護師免許を持つ養護教諭が必要である」「現場研修で医療的ケアの実習が必要である」の項目において,看護師免許のない養護教諭に肯定群が多かった(p<0.05,χ2検定).看護師免許の有無に関わらず,養護教諭養成段階での基礎知識の学習・実習,現職研修での研修の必要性を感じている割合が高かった.【結論】看護師免許のない養護教諭は,医療的ケアの実施に自信がない傾向があり,現職研修における医療的ケアの実習の必要性を感じている割合が高く,今後,養成教育・研修の在り方について検討していく必要がある.