一般社団法人日本学校保健学会第67回学術大会

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発育,発達(OP-1201~1206)

黒川修行(宮城教育大学)

[OP-1203] 成長期の児童生徒を対象とした運動器検診の性別及び学年による相違

根地嶋誠1,3, 東伸一郎2, 大木雅智3, 松本武士3, 尾藤晴彦4 (1.聖隷クリストファー大学 リハビリテーション学部 理学療法学科, 2.鹿児島中央整形スポーツクリニック リハビリテーション部, 3.浜松市リハビリテーション病院 リハビリテーション部, 4.浜松市リハビリテーション病院 スポーツ医学センター)

【目的】成長期における体力増強や傷害予防のためには,運動器機能の実態把握が必要である.本研究では,成長期である小学生高学年および中学生を対象に,上下肢体幹の柔軟性,バランス,下肢筋力を横断的に調査し,性別及び学年による比較検討を行った.【方法】対象は保護者の同意が得られた小学4~6年生および中学1~3年生の812名であった.測定項目として身長・体重,下肢伸展挙上・殿踵間距離・股関節内外旋・体幹回旋・肩関節回旋および挙上・しゃがみ込み・立位体前屈,片脚立位90秒保持,30cm台からの片脚立ち上がりを実施した.いずれも基準に基づき可否を判定した.性別および学年で比較するためにχ二乗検定を行った.所属施設倫理委員会の承認を得て実施した.【結果】身長は小5で女子が,中2・3で男子が大きかった.体重は小5で女子が,中3で男子が大きかった.女子では肩関節の挙上としゃがみ込みで小6および中学生に制限のある者が多かった.男子では下肢の柔軟性の項目で中学生に制限のある者が多かった.片脚立位では男子において低学年で保持できない者が多く,30cm台からの片脚立ち上がりでは男女とも高学年で不可能である者が多かった.【結論】柔軟性に関する項目の多くで高学年に制限のある者が多く,先行研究と同様だった.しかし,女子と男子で運動器機能に違いが認められ,性別および学年進行において運動器機能の変化のパターンが異なることが示唆された.