一般社団法人日本学校保健学会第68回学術大会

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シンポジウム3
教科としての「保健」のさらなる改善に向けて~注目される課題と提案~

座長:野津 有司(筑波大学)、岩田 英樹(金沢大学)

キーワード:学習指導要領、保健の内容、保健の学習指導

 日本学校保健学会は、子供の健康・安全に関わる多種多様な専門家が集う学際的な学会であり、取り扱われるトピックも、時代や社会の要請などにより様々である。そんな中においても、子供が生涯にわたって健康で安全に生活していくための基礎基本を育む保健教育、特に教科としての保健については折に触れて取り上げられ、議論されてきた。しかしながら、学習指導要領の改訂前後の企画が多く、各教科専門学会のように継続的に十分な議論が積み重ねられているとは言い難い。学習指導要領がどう改訂されたのかを検証することはもとより、次の改訂に向けた学術的な提言につなげていくことが何よりも重要と言える。
そこで、本企画では、教科としての「保健」のさらなる改善に向けて、いくつかの観点から注目される課題を取り上げ、問題提起や提案等を行うこととした。まず、保健ではこれまでにも小学校低学年及び高校3年生においても発達の段階に応じた学習内容の位置付けが望まれてきた。最近の幼少連携や、高校での「〇〇総合」「〇〇探究」科目の新設などの動向を踏まえ、保健における可能性を考えることも必要と思われる。また、今次改訂により、すべての教科で位置付けられた「技能」については、保健では十分議論されているとは言えない状況である。そして、保健で取り扱う内容においては、安全に関わる内容の拡充や、性に関する指導の国際的動向など、急速な変化の中で改めて教科として取り扱う内容をどう考えるのかも問われている。さらに、薬物乱用防止教育やがん教育などで推奨されている外部人材の有効活用は、保健担当教員の役割にどのような変化をもたらそうとしているのだろうか。このような課題について、本委員会のメンバーが分担し、今後の議論を深めるための話題提供や提案等を行う。本動画コンテンツの公開ウェブページのコメント欄に、ご感想やご意見などをお寄せいただき、多くの方々と課題意識が共有できれば幸いである。

1.「幼小連携からみた小学校低学年の保健の位置づけ」 内山有子(東洋大学)

2.「高等学校における新科目『保健探究』(仮)の構想に向けて」 野津有司(筑波大学名誉教授)

3. 「保健の『技能』における他教科での取扱いから見た課題」 岩田英樹(金沢大学)

4. 「安全に関する課題の変遷とこれからの保健の内容」 渡邉正樹(東京学芸大学)

5. 「性に関する指導の現状と課題」 渡部基(北海道教育大学)

6. 「保健における外部講師の有効活用の課題」 棟方百熊(岡山大学)


▶チャプターリスト(目次)
0:00 企画趣旨説明 野津有司(筑波大学名誉教授)
03:22 幼小連携からみた小学校低学年の保健の位置づけ 内山有子(東洋大
学)
12:02 高等学校における新科目「保健探求」(仮)の構想に向けて 野津有
司(筑波大学名誉教授)
23:51 保健の「技能」における他教科での取扱いから見た課題 岩田英樹
(金沢大学)
32:39 安全に関する課題の変遷とこれからの保健の内容 渡邉正樹(東京学
芸大学)
41:08 性に関する指導の現状と課題 渡部基(北海道教育大学)
49:36 保健における外部講師の有効活用の課題 棟方百熊(岡山大学)