一般社団法人日本学校保健学会第68回学術大会

講演情報

一般演題(口演)

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O-1~O-6 健康管理、ヘルスプロモーション

座長:黒川 修行(宮城教育大学)

[O-1] 中学生のインターネット依存に関連する要因についての検討

佐久間 浩美1, 高橋 浩之2 (1.了徳寺大学 教養部, 2.千葉大学 教育学部 養護教育)

キーワード:インターネット依存、中学生、自己管理スキル

【目的】2020年,新型コロナウイルス感染症の蔓延により緊急事態宣言が出され,多くの学校が休校となった。そのため中学生のネット利用が増え依存傾向が高まることが危惧された。そこで本研究では,学校が再開された直後に中学生のネット利用に関する質問紙調査を実施し,ネット利用に関する実態とネット依存に関連する心理社会的要因を明らかにすることを目的とした。【方法】2020年6月にU市の4校の中学生1532名を対象に, 無記名自記式調査を実施した。調査項目は,ネット依存度,スマートフォンやゲーム機の所持,ルールやフィルタリングの有無,緊急事態宣言中のネット利用時間(動画・情報検索,SNS,ネットゲーム),ネットに関する効果認知,リスク認知,学校不適応感,承認欲求,抑うつ,知識,自己管理スキル,ネットワークの広さ,サポート感,身体症状,ネット利用に関する自己管理行動,問題行動である。分析にはカテゴリカル回帰分析を用いた。【結果】ネット依存度を従属変数,その他の項目を独立変数として分析した結果,ネット依存度と正の関連があった要因は,ネットゲーム時間,ネットに関する効果認知,承認欲求,抑うつ,身体症状,問題行動であり,負の要因として自己管理スキル,ネットに関する自己管理行動が示された。【考察】緊急事態宣言下では,自己を管理するスキルや行動がネット依存を抑止する要因であった。これらのことを踏まえて今後はネット依存を予防するプログラムを作成していく。