一般社団法人日本学校保健学会第68回学術大会

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一般演題(口演)

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O-15~O-20 健康教育、ライフスキル1

座長:高倉 実(琉球大学)

[O-19] スキルベースの健康教育の目標,内容,指導方法の具体例:中高校生対象の一指導書における意思決定スキルを中心に

西岡 伸紀, 村上 佳司 (兵庫教育大学大学院 学校教育研究科 人間発達教育専攻)

キーワード:意思決定スキル、スキルベース、米国健康教育基準

【背景及び目的】Lesson Planning for Skills-Based Health Education(Benes S他, 2019) は,米国の学校健康教育に「スキルベースのアプローチ」の導入を目指す指導書であり,米国保健体育協会が関わる。本研究では,同書の意思決定スキルを中心に,スキルベースの健康教育の目標,内容,指導方法を紹介する。【方法】同書の3章から第9章は米国健康教育基準2~8に対応しており,各章の内容はスキルとして扱われ,「スキルの概要」「スキルキュー」「単元の概要」「評価」「指導計画」「展開例」が示されている。そのうち,意思決定に関わる6章,3章,4章の内容を分析した。【結果】6章は健康改善のための意思決定,3章は健康情報,サービス等へのアクセス(活用を含む),4章は健康行動への影響要因の理解と分析を取り上げ,いずれも意思決定との関連が強い。「スキルの概要」では,6~8学年及び9~12学年の米国健康教育基準と関連付けて各スキルが概説されていた。「スキルキュー」は各スキルを実行する際の段階や要素が示されていた。「単元の概要」では目標と内容が概説されていた。「指導計画」では,特定の健康課題(トピック:6章の意思決定では喫煙,飲酒,薬物乱用)を取り上げ,数時間~10時間余の授業内容が解説され,「展開例」では各時の具体例が示されていた。【結論】スキル育成のために,スキルに対する理解,課題への活用,日常生活での活用等,段階的,計画的に育成が図られていた。本研究はJSPS科学研究費21K02521の助成を受けた。