The 68th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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一般演題(口演)

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O-27~O-31 保健教育

座長:岩田 英樹(金沢大学)

[O-27] 新型コロナウイルス感染症に向き合う教材・授業づくり―実践を通した検討

鎌田 克信1, 菊池 香織2, 数見 隆生3 (1.東北福祉大学 総合福祉学部 福祉心理学科, 2.白百合学園小学校, 3.宮城教育大学)

Keywords:新型コロナウイルス感染症、主体的、行動の選択

2020年2月以来、新型コロナウイルス感染症の猛威が断続的に押し寄せ、様々な感染防止対策と子どもたちへの指導が継続されている。しかし、そうした対応の多くは、感染予防のための環境対策や行動の指導に重きが置かれ、新型コロナウイルスに対して子ども自身に主体的に協働して向き合おうとする意識や認識を育てる指導は極めて乏しかったように思われる。私たちは、2021年6月から9月(第4~5波の時期)に新型コロナウイルス感染症に関する教材研究を始め、その実践を通して「新型コロナウイルス感染症に向き合う力」を子どもたちに育てうる授業の要件を明らかにすることにした。 授業は,保健の教科学習でも養護教諭の保健指導でも扱える2時間扱いとした。1時間目は「コロナに『なる』『かかる』とはどういうことか?どのようにして感染を防げばいいのか?」をねらいとし,ウイルスの体内への侵入と感染,発症の違いについて理解させ,感染予防としてのマスクの効果について考えさせる扱いとした。2時間目は,「感染症にかかっても治るのはなぜか?からだの『治る力』を応援するにはどうしたらよいか?」をねらいとし,感染症にかかった際の経験を手掛かりにさせながら免疫についての理解を深めさせ,それを生かした生活行動について話し合わせた。 感染症に罹患した際の経験と結びながら考え,対話させ、認識を深めさせることは,子どもたちがからだへの信頼を取り戻し,主体的に行動を選択しようとする力を育むことにつながることがわかった。