The 68th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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一般演題(口演)

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O-27~O-31 保健教育

座長:岩田 英樹(金沢大学)

[O-29] 「がん教育」に対する高等学校養護教諭の意識

澤山 美佐緒 (京都府立桃山高等学校)

Keywords:がん教育  、養護教諭、ピロリ菌検査

【目的】二人に一人が罹患するがんは我が国の重要な健康課題であり、令和2年度より新学習指導要領に基づくがん教育が展開されている。本研究では、高等学校に勤務する養護教諭を対象にがん教育に対する意識と養護教諭の経験について調査した。
【方法】令和2年に公立高等学校61校に勤務する養護教諭80名を対象に、郵送法による無記名アンケート調査を実施した。回収率、有効回答率は63.8%であった。調査項目は小児がん生徒への対応、勤務校のがん教育やピロリ菌検査の現状、がん教育における養護教諭の役割などである。統計解析にはχ2検定、Fisherの直接確率検定を行った。
【結果】対象者の属性は、年齢は50代が33.3%と最も多く、勤務年数では10年未満が29.4%と最も多かった。小児がん生徒の対応経験は、勤務年数10年未満は10.7%、勤務年数20年以上は32.1%と有意差が認められ(p<0.01)、小児がん対応経験のある養護教諭は経験のない養護教諭と比べて「脳腫瘍」、「白血病」への関心が有意に高いことが明らかになった(<0.01)。がん教育実施率は勤務年数1~9年の92.9%が実施し10~19年では58.3%、実施形態は「保健体育科」の授業が81.6%であった。ピロリ菌検査実施率は、勤務年数20~29年は63.6%、他の年数では30%未満であった。がん教育の養護教諭の役割は85.4%が「コーデネーター役」と考え、望ましいがん教育の実施者は「医師」が88.2%、「がん体験者」が58.8%で、実際の講師活用は「医師」、「がん体験者」ともに21.1%であった。