The 68th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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一般演題(口演)

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O-32~O-37 養護教諭、保健室

座長:池添 志乃(高知県立大学)

[O-32] 保健室の機能拡大過程と養護実践

竹下 智美 (茨城大学教育学部)

Keywords:保健室、学校保健施設・設備、

今日のコロナ禍において保健室には、これまでなかった物品(パルスオキシメーターをはじめ感染予防・防止のための消耗品や備品)が設置され、その空間に求められる機能も変化しつつある。時代とともに変化する保健室は、そこに関わった「ヒト」のみ ならず、「モノ」や「コト」の影響を受けつつ変化している。本研究では、多機能かする保健室とともに多忙化する養護教諭の仕事の本質の明らかにするための保健室の機能拡大過程に焦点を当てて分析を行う。 とりわけ本研究では、戦後の「保健室(衛生室)」の必置制、および機能の形成・発展過程は、1949(昭和24)年の中等学校保健計画実施要領(試案)(1951年に小学校学校保健計画実施要領(試案)が策定)に示された合理化された学校保健政策と多様化する子どもの健康問題に対応する既存の施設・設備品のせめぎ合いの中で、その空間に内在化されていく戦後の「保健室」の機能の特徴を明らかにする。 具体的な検討課題は以下の二つに大別できる。第一に、1941(昭和16)年の「衛生室」法制化、さらに1958(昭和33)年の戦後学校保健法制定に伴って必置に至った「保健室」の機能とその後の発展過程を明らかにする。第二に、「衛生室」ないし「保健室」の設置と連動して検討された、養護訓導/養護教諭の職務ないし仕事の内容、さらに、同室に設置された設備・備品に規定されながら、その空間と職務が変容していくプロセスを明らかにする。本報告で、その結果の一部を報告したい。