[P-72] 小学校の教室における窓全開条件下での二酸化炭素(CO2)濃度
Keywords:CO2濃度持続測定、教室内換気、空気感染予防
【目的】CO2濃度は学校環境衛生基準で換気の指標として示されている。また、COVID-19流行からは空気感染予防策のため換気に努めるよう求められている。本研究は小学校の教室におけるCO2濃度から換気の状況を調査する。【方法】調査は2022年4月27・28日、5月2日、各日8:30-12:20、京都市内公立小学校1年生(27人)、3年生(27人)、5年生(31人)の教室で行った。天候は晴れ、京都市内平均風速は各日2.33m/s、4.28m/s、1.48m/s。データロガーCO2/温湿度計 CO2-9904SD(サトテック社)を用いた。測定器は教室後方の中央、高さ100cmに設置し、2秒ごとに記録した。教室内出入りについて、教室外廊下の高さ30cmにドライブレコーダーを設置し、個人が特定されないように記録した。教室の使用状況とCO2濃度の関係について分析した。【結果】全測定時間において各教室の窓は全開であった。最大CO2濃度は1年生692ppm、3年生636ppm、5年生587ppmだった。また、平均CO2濃度は1年生508ppm、3年生521ppm、5年生525ppmだった。CO2濃度の増加は主に、班活動、歌、ダンスなどの活動と教室のドアや窓の閉鎖に起因した。【考察】測定では学校環境衛生基準(1500ppm)、厚生労働省の良好な換気状態の目安(1000ppm)を超える値はなかった。窓が全開の条件下であったためだと考えられる。学年が上がるにつれて平均CO2濃度の増加傾向が見られた。窓が全開の状況においても、児童の発話及び動作量の増加、ドアの閉鎖はCO2濃度を増加させ、外部風の流入はCO2濃度を低下させると考えられた。