一般社団法人日本学校保健学会第68回学術大会

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一般演題(ポスター)

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P7~P13 新型コロナウイルス感染症2

座長:大沼 久美子(女子栄養大学)

[P-10] コロナ禍における保育士のワーク・エンゲイジメントの実態とそれに関連する要因の検討:施設と保育士とのマルチレベル分析

友川 礼1, 友川 幸2,3, 桐木 陽子4, 三宅 公洋2, 上野 真理恵3,5, 山川 路代6, 朝倉 隆司3,5 (1.東雲女子大学 人文科学部, 2.信州大学 教育学部, 3.国際学校保健コンソーシアム, 4.松山東雲短期大学 現代ビジネス学科, 5.東京学芸大学 教育学部, 6.岐阜大学 大学院医学系研究科)

キーワード:保育士、コロナ、ワーク・エンゲイジメント

【目的】
コロナ禍での保育士の業務負荷による、保育士のワーク・エンゲイジメントの低下が懸念される。そこで本研究では、コロナ禍の保育士のワーク・エンゲイジメントの状態とそれに関連する要因を施設と保育士の双方の視点から明らかにし、コロナ禍で働く保育士への適切な支援の在り方を検討することを目的とした。

【方法】
2020年に、地方都市A県の保育協議会に加盟する全264園を対象とし、郵送法により、保育施設の長を対象とした自記式の質問紙調査を行い、施設の基礎情報(設置主体、園児・職員数等)、コロナ禍での保育所の運営、保育活動の変更と自己評価、衛生管理と健康関連活動に対する自己評価等について回答を得た。また、同施設に勤務する職員から、属性情報(年齢、性別、実務・勤務年数、役職、雇用形態等)、所属組織の感染症対策、健康関連活動に対するレディネス、コロナ感染症対策に対する負担感、ワーク・エンゲイジメント、同僚や保護者からの励ましの有無、保育士の就業に対する組織の対応等について回答を得た。

【結果】
保育士のワーク・エンゲイジメントは、年齢層、役職、雇用形態、設置主体を調整しても、個人の健康関連活動に関するレディネスとの間に有意な関連があった。上記の結果は、年齢層別の分析でも同様の結果が認められた。

【結論】
長期化するコロナ禍で、保育士のワーク・エンゲイジメントを維持するためには、個人レベルでの健康関連活動に関するレディネスを向上させていく必要が示唆された。