[P-21] 中学生における心身の自覚症状と「ソーシャル・キャピタル,学校連結性,スマートフォン」の関連について
Keywords:自覚症状、学校連結性、ソーシャル・キャピタル
【目的】中学生を対象としたソーシャル・キャピタル(以下SC),学校連結性およびスマートフォンの利用状況と心身の自覚症状の関連性を検討した.【方法】沖縄県内公立中学校7校の1,2年生を対象に.2020年10月から12月にかけて無記名自記式の質問紙調査(認知的,構造的SC/学校連結性/自覚症状/スマホ使用/その他:生活習慣等)を実施し,全回答数936人のうち,分析項目に欠損のない者916名(有効回答率97.9%)を分析対象とした.【結果】自覚症状と相関関係のある項目を説明変数,自覚症状を目的変数とした重回帰分析を行った.その結果,自覚症状は,「学校連結性」,「学校における認知的SC」,「睡眠時間」と関連が認められ,最も高い標準偏回帰係数を示した項目は「学校連結性」であった.また同様に「学校連結性」には「学校認知的SC」「身体活動量」が関連していた.【結論】今回の結果は,高倉ら(2014)が行った小中学生における心理社会的学校環境と自覚症状との関連性において「学校環境―学校満足―自覚症状」のパスモデルが健康結果を説明するとした知見と類似性が高いといえる.したがって,中学生の健康を考える際,学校における健康教育の充実のみならず,学校が好きになる,所属感を感じられるよう学校環境を整えることや肯定的な人間関係の構築が重要である.