The 68th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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一般演題(ポスター)

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P42~P46 養護教諭、保健室1

座長:鎌塚 優子(静岡大学)

[P-44] 保健室登校の援助技術に関する一考察―インタビュー調査に基づく計量テキスト分析から―

八木 利津子 (桃山学院教育大学 人間教育学部 人間教育学科)

Keywords:保健室登校、援助技術、養護教諭

【目的】保健室登校の援助技術について「教育的」「円環的」「調整的」要素スキルの3観点から養護教諭に求められる能力を検討する。【方法】高年養護教諭を対象に保健室登校事例等半構造化インタビューを実施し計量テキスト分析した。さらに、フリースクールのスタッフにアプローチの実態や関わりを追調査し、「対応的」「意図的」「思考的」視点にカテゴリ―化し有効な対応について考察を加えた。【結果】「教育的要素」の援助は、小中学校は綿密な電話対応、高等学校は居場所づくりを意識した対応が把握でき、〈安心〉に通じる志向傾向があった。「円環的要素」は、小中では家族との頻回な懇談により学校行事への参加支援を行い、高等学校は特別支援教諭の代役を担い、親との関わり頻度は小中より少ない差異がみられた。「調整的要素」は、小学校が対策会議、中学校は個別計画立案を重視し高等学校ではSCとの支援体制の強化が最頻出語群から読みとれた。【結論】養護教諭は、当事者の課題や背景を見極める『観察力』と『判断力』に加え『コーディネーター力』が問われ、教諭や家庭と連携可能な『支援体制づくり』と時間的対応ができる『呼応力』が求められる。さらに個に応じた指導計画立案のために他職種間の調整の必要性が示唆され、会議参画時の『発信力』と『調整力』が意義をなすと考える。追調査から、コロナ禍においてフリースクールの活用頻度が高まり、養護教諭はフリースクールへの橋渡し役、地域の学外機関との連携や情報共有が重要となる。