一般社団法人日本学校保健学会第68回学術大会

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一般演題(ポスター)

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P51~P55 メンタルヘルス1

座長:宮城 政也(琉球大学)

[P-55] 学校におけるストレスマネジメント教育の実践動向に関する文献的検討

木下 和美1, 久永 満里奈2, 長谷 真3 (1.熊本大学大学院 教育学研究科 養護教育コース, 2.曽於市立檍小学校, 3.熊本大学大学院教育学研究科)

キーワード:ストレスマネジメント、ストレスマネジメント教育、学校教育

【目的】学校教育ではストレスマネジメント教育を予防的に行うことを推奨しているが, その実践動向についてはほとんど検討が加えられていない. 本研究では, 学校現場におけるストレスマネジメント教育の実践について, 本邦における文献検索によって調査・検討した.
【方法】 文献は, CiNii, Google Scholar, J-STAGEを用い, 日本国内で公刊された文献について電子検索を行った. 検索キーワードは 「ストレスマネジメント」, 「教育」, 「実践」を組み合わせて用いた. さらに校種等をキーワードに加え再検索した後, 内容の適合性を検討した. その後児童生徒を対象とした62件の実践の論文を抽出し分析対象とした.
【結果と考察】62件の論文を校種別に分類したところ, 中学校における実践が2校種間のものも合わせると35件あり , 各校種の中で最も多かった. 中学校の学習指導要領保健体育編においてストレス対処に関する単元設定があり, ストレスマネジメント教育の場が設けやすいということがその一因と推察された. また, ストレスマネジメント教育の効果については「ストレッサー, ストレスの減少」に関する論文が37件と最も多かった. 加えて, 実践の方法を分析すると, 「認知行動療法」等の「心理学的活動」が多く取り入れられていた. 心理学的活動においては, 専門的な知識及び活動が取り入れられた実践はより効果が高いという傾向が見られたことから, ストレスマネジメント教育における専門家の知見はより重要な要素であることが示唆された.