The 68th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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一般演題(ポスター)

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P67~P71 安全、危機管理

座長:内山 有子(東洋大学)

[P-71] 運動部活動顧問の属性別にみた体罰行為経験に関する研究

霜触 智紀1, 笠巻 純一2 (1.宇都宮共和大学 子ども生活学部, 2.新潟大学 人文社会科学系)

Keywords:運動部活動、体罰、顧問の属性

【目的】近年,運動部活動における体罰が社会問題化されている.体罰が発生する背景には複数の要素が考えられるが,運動部活動顧問の属性に着目し検討された研究は少ない.そこで本研究は,運動部活動顧問の属性と体罰行為経験との関連を検討することを目的とした.
【方法】系統抽出法を用いて選定した日本全国の中学校,高等学校(517校)に勤務する運動部活動の主顧問教員を対象にアンケート調査を実施し,39都道府県から337票の有効回答(中学校130名,高等学校207名)を得た.調査期間は,2021年2月17日~3月19日とした.本研究の分析内容は,属性(性別,年齢,教職経験年数,校種,部員の性別),運動部活動中の体罰行為経験の有無であった.解析にはカイ二乗検定を用いた.有意水準は5%とした.
【結果】性別と体罰行為経験との関連について分析した結果,女性に比較して男性の体罰行為経験者の割合が有意に高いことが示された(χ2(1)=10.06,p=.002).年代と体罰行為経験との関連について分析した結果,20代,30代よりも40代,50代以上の体罰行為経験者の割合が有意に高いことが示された(χ2(3)=29.70,p<.001).教職経験年数と体罰行為経験との関連について分析した結果,11年目未満よりも11年目以上の体罰行為経験者の割合が有意に高いことが示された(χ2(2)=34.87,p<.001).
【結論】運動部活動顧問の体罰行為経験には,主に性別,年齢,教職経験年数といった属性が関連している可能性が示唆された.