一般社団法人日本学校保健学会第68回学術大会

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学校保健領域における脱水症とその対策~経口補水液を上手く使いこなそう~

2022年11月5日(土) 12:10 〜 13:10 LIVE配信第1会場

座長:森岡 郁晴(和歌山県立医科大学)

[SS1] 学校保健領域における脱水症とその対策~経口補水液を上手く使いこなそう~

谷口 英喜 (済生会横浜市東部病院患者支援センター長)

キーワード:小児、脱水症、経口補水液

小児と高齢者は、脱水症弱者である。小児における脱水症は、体調不良、集中力低下、運動パフォーマンスの低下につながる。小児は、成長過程であり、エネルギー代謝において多くの水分を消費する。また、成人に比べ体重あたりに皮膚や呼気から失われる不感蒸泄量が多く、多くの水分が失われる。腎機能や汗腺が未発達なために、水分保持能力も不十分である。このような理由により、小児は脱水症弱者と考えられる。

 小児は、自ら口渇感や体調不良を訴えることが難しいため、脱水症の発見が遅れがちである。学校においては、マスクを装着した状態では、教員は脱水症の初期症状となる苦悶症状や顔色の変調に気がつきにくい。
脱水症は、放置しておくと悪化して、重大な病気に発展しかねない。特に、脱水症による脳障害に一度罹患してしまうと、脳組織に修復機能が無いために後遺症が一生残る。特に、脱水症を伴った熱中症では、脳が高体温となり神経障害により高次脳機能障害や歩行障害のなどの後遺症で苦しむ事例も見られている。

 現在、多くの学校保健室には経口補水液が常備されている。しかし、適切に使用されているであろうか?
脱水症や脱水症を伴う熱中症に対しては、経口補水液を活用することが第一選択とされている。病気が発症してから、できるだけ早い時期に経口補水液を適量摂取させることで効果が期待される。大切な子供達の未来を預かる学校現場において、脱水症を早期に発見して、早期に経口補水液を摂取させる。その際に、適切な飲み方、飲む量、効果判定指標、そして病院へ行かせる基準、等、学校に求められていることは多くある。
本セミナーが、これらの課題解決につながり、子供達の未来を守る一助となれば幸いである。