国際開発学会第35回全国大会・人間の安全保障学会第14回年次大会

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国家の安全保障と人間の安全保障 : 政治、人道支援、開発、平和構築の視点から

2024年11月9日(土) 09:00 〜 11:00 Y803 (大内山校舎 803)

09:00 〜 11:00

[1I101] 国家の安全保障と人間の安全保障 : 政治、人道支援、開発、平和構築の視点から

*折田 朋美1、*竹内 海人1、*志賀 裕朗2、*武藤 亜子1、*杉谷 幸太1、*佐藤 仁3 (1. 独立行政法人国際協力機構、2. 横浜国立大学、3. 東京大学)

キーワード:国家の安全保障と人間の安全保障、政治、人道支援、開発、平和構築

1 企画の背景:30年以上前に人間の安全保障の概念が生まれて以来、世界の人々を取り巻く脅威は様相を変えている。こうした脅威を正しく捉え、適切に対応していくには、人間の安全保障の視座が有効ではないかとの認識に立ち、JICA緒方貞子平和開発研究所では、2024年に『人間の安全保障レポート』第2号を刊行し、英訳した。本セッションでは、同レポートから、国家の安全保障と人間の安全保障に関する論点を提供しうる、三つの論考を取り上げる。両者は本来補完関係にあるが、近年では国家の安全保障の追求が人間の安全保障を脅かすことも懸念されるようになっている。本セッションでは、両者を共に実現するうえでの政治、人道支援、開発、平和構築の役割を、以下の論点により考察する。
2. 主要な論点:志賀は、世界が「ポスト・ポスト冷戦時代」に入りつつあるとの認識を踏まえ、人間の安全保障と国家の安全保障を両立させるうえでの国家の機能のあり方について考察する。武藤は、内戦中に地震が発生したシリアの事例から、人間の安全保障にも国家の安全保障にも課題を抱える状況での人々の保護とエンパワメントについて考察する。杉谷/竹内は、難民が受けるジェンダーに基づく暴力(GBV)に対応する政策枠組みや国際協力を事例に、人びとを中心に据えた人間の安全保障と国家との関係を考察する。
3 期待される成果:内戦が長期化したり国家間戦争が拡大する危険性が増したりして、国家の安全保障が前景化されやすい状況において、いかに人間の安全保障を確実なものとするのかを改めて検討する。「交渉し妥協する」という本来の意味の政治、さらに人道支援、開発、平和構築が果たしうる役割についての理解を深めることは、人間の安全保障を実現する包括的で多角的な戦略を検討するうえで重要な知見を得る機会となることが期待される。
*『人間の安全保障レポート』第2号はJICA緒方貞子平和開発研究所のウェブサイトからダウンロード可能。

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