国際開発学会第35回全国大会・人間の安全保障学会第14回年次大会

講演情報

ポスター発表

ポスター

2024年11月9日(土) 09:00 〜 13:00 メディアラウンジ (外濠校舎1階)(JASID) (外濠校舎1階 メディアラウンジ )

09:00 〜 13:00

[1Z107] 自助と連帯の風景:ウガンダの都市部・難民居住地におけるRLOの比較分析

*杉本 智美1 (1. 東京大学大学院)

キーワード:ウガンダ、難民、RLO

1.研究の背景およびリサーチクエスチョン
近年、人道危機による難民の急増、その長期化が課題となっている。アフリカ最大の難民受け入れ国であるウガンダでは、進まない難民の母国帰還に対し、政府主導の難民自立化戦略が進められているが、難民自身の声はしばしば置き去りにされている。このような状況下、RLO(Refugee-Led Organization、難民主導組織)の活動が活発化している。これを踏まえ、本研究はウガンダにおけるRLOの実態をより明らかにすることを目的とし、以下の問いを設定した:(1) ウガンダの都市部と難民居住地におけるRLOの活動と影響力にどのような違いがあるか、(2) それらの違いを生む要因は何か。

2.資料・情報および分析方法 
都市部(首都カンパラ)及び難民居住地で活動する大小様々なRLOを対象に、半構造化インタビューとグループインタビューを行い、比較分析を行った。更に複数のRLOに対する参与観察を通じた質的調査を実施した。

3.得られた知見
第一に、都市部のRLOは中規模から大規模で、多様なサービスを提供し、アドボカシー活動にも注力する一方、難民居住地のRLOは小規模で非公式な傾向にあり、基本的ニーズに焦点を当てた活動を行っている。第二に、都市部のRLOは国際的ドナーとの関係性が強く、より多くの資金を得られる傾向に対し、難民居住地のRLOは資金へのアクセスが限定的である。第三に、都市部のRLOは政策提言や広範な社会統合に影響を与える可能性が高い一方、難民居住地のRLOは地域コミュニティ内での直接的影響力が強い。これらの差異を生む要因として、地理的位置とリソースへのアクセス、難民コミュニティの構成、リーダーシップと教育レベルが挙げられる。これらの知見は、ウガンダにおける難民支援政策策定において、都市部と難民居住地の特性を考慮した、よりきめ細かなアプローチの必要性を示唆する。

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