the 35th JASID Annual Conference and the 14th JAHSS Annual Conference

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Sat. Nov 9, 2024 9:00 AM - 1:00 PM media lounge (Sotobori Campus 1st Floor)(JASID) (Sotobori Campus 1st Floor, media lounge)

9:00 AM - 1:00 PM

[1Z115] Qualitative study on the adaptability of Djibouti nomads to climate change

*Mitsuki MURAHO1 (1. University of Shimane)

Keywords:Djibouti, Nomads, Climate change, Settling down, Engage in agriculture

研究の背景およびリサーチクエスチョン
 東アフリカのジブチ共和国では食糧自給率が4%程度であり、食糧のほとんどを輸入に依存している (Saito et al,2022)。また、同地域は気候変動の影響を強く受けることが予測されており、そのための適応策を取ることが困難な貧困層はさらに脆弱性リスクが高くなることも懸念されている(IPCC, 2022)。この対応の一つとして、ジブチ政府は遊牧民の定住化を促し、農村の形成による農業従事を検討している。しかし、現地の遊牧民の農業従事への関心や課題は明らかになっていない。そこで本研究ではジブチ共和国の遊牧民を対象に、気候の変化がもたらす生活実態への影響を把握し、同国の遊牧民の定住化及び農業従事の可能性について検討することを目的とする。
資料・情報および分析方法
 ジブチ共和国の南部地域の遊牧民13名、北部地域の遊牧民14名の合計27名を対象に、半構造化インタビューを実施した。家族構成や収入源、家畜の種類に加え、近年の環境の変化に関する実感や家畜への影響、農業従事への関心やその条件などについて把握することを試みた。
得られた知見
 遊牧民が生活拠点を選択する条件として「水の取得に関する容易性」、「家畜の世話に関する継続性」、「子供の教育環境の充実」が挙げられた。また。近年の環境の変化として気温の上昇が実感として挙げられており、「水の取得に関する容易性」や「家畜の世話に関する継続性」については適応が困難な可能性が示された。また、「子供の教育環境の充実」が定住の条件となっている遊牧民が多いことから、現在所有している家畜の維持管理が可能な水場の確保と小学校へのアクセスを容易にすることが可能な環境を作る必要があると考えられる。また、農業従事の可能性については、初期の設備投資や栽培方法の懸念が強いことから、農業政策を通じた支援が必要であることが示唆された。

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