13:45 〜 14:15
[2A204] マレーシアの難民教育における教師の役割―実践共同体としての学習センターに着目して―
キーワード:難民教育、学習センター、実践共同体、マレーシア
UNHCRによればマレーシアは19万人を超える難民を受け入れており、東南アジアでは最大の受け入れ国となっているが、一次庇護国という立場であり、難民は最終的には第三国定住を見込んでいる。将来的には再定住する存在でありつつも、長ければ数十年にわたって滞在し続けるという矛盾した事象が、マレーシアで難民の教育環境が整わない要因の一つとなっている。公教育に統合されない難民の子どもたちは、UNHCRや様々なNGO、財団等の支援する非正規の学習センターで教育を受けているが、資金面や人材面、カリキュラムの選択等に関して様々な課題を抱えている。本研究では、単なる教育の場に留まらない学習センターの機能を実践共同体としてとらえその役割を再定義するとともに、共同体の背景となるマレーシアの難民受け入れ状況、そして在留資格を持たない難民の子供たちの将来を見据え、共同体の展望についても論じる。
マレーシアで難民は不法滞在者の扱いであり、国籍やUNHCR発行の難民カードを有しない者も多く、正確な統計データの入手は困難である。国際機関や政府のデータでマクロの状況を押さえつつ、マレーシア半島部に存在する全ての学習センターへの質問票調査を行うとともに、回答があったセンターの中からクアラルンプールおよび近郊の6校を訪問し、運営者・教師へのインタビューと参与観察を行った。
調査の結果、学習センターにおけるフルタイム、パートタイム、ボランティアそれぞれの教師の背景が明らかになるとともに、難民吸収型産業集積地としての都市において、二重の雇用調整弁的役割を担わされる難民の就労実態やコミュニティへの愛着、再定住のみを将来の展望とすることによる、社会統合への困難などが浮かび上がった。
マレーシアで難民は不法滞在者の扱いであり、国籍やUNHCR発行の難民カードを有しない者も多く、正確な統計データの入手は困難である。国際機関や政府のデータでマクロの状況を押さえつつ、マレーシア半島部に存在する全ての学習センターへの質問票調査を行うとともに、回答があったセンターの中からクアラルンプールおよび近郊の6校を訪問し、運営者・教師へのインタビューと参与観察を行った。
調査の結果、学習センターにおけるフルタイム、パートタイム、ボランティアそれぞれの教師の背景が明らかになるとともに、難民吸収型産業集積地としての都市において、二重の雇用調整弁的役割を担わされる難民の就労実態やコミュニティへの愛着、再定住のみを将来の展望とすることによる、社会統合への困難などが浮かび上がった。
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