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[2B204] 大国における人口減少と国力衰退についての考察
―国力量方程式に基づく権威主義の構造分析を中心に―
キーワード:大国、人口減少、国力衰退、国力量方程式
将来的な世界の人口の増減は、国内総生産(Gross Domestic Product : GDP)(以下、「GDP」という。)等の経済力の伸び等にも大きな影響を与える重要な要素である。United Nations, Department of Economic and Social Affairs, Population Divisionによると、2020年の世界全体の人口は、77億9,479万人である。今後、2050年の人口は、101億63万人となり、2100年の人口は、175億9,265万人となる見込みである。つまり、2100年の人口は、2020年と比べて125.70%も増加していることが判る。しかしながら、日本を含む中国・ロシア等の大国の中には、人口減少による国力の衰退を懸念している動きもみられる。他方、国の人口は、国力の維持と密接に関わっている。例えば、Clineによると、人口減少により国力の方程式が一変すると指摘すると共に「国力量方程式」として、Pp=(C+E+M)×(S+W)(※国力=([基本指標 : 人口+領土]+経済力+軍事力)×(戦略目的+国家意思))を提唱している。そこで、Clineが提唱した「国力量方程式」を基に米国および中国他6か国を対象に、(人口・領土)+経済力+軍事力といった普遍的要素については、最近の統計等の資料からポイントに置き換えてみると共にこれらの合計値に戦略目的評価(※係数=25点満点)および国家意思評価(※係数=25点満点)を合算した数値を乗じることで各国の「国力」を算定した結果について分析し考察するものである。特に国力の維持が今日のロシアや中国の政治体制においてみられるような権威主義の構造と密接に関わっていることについても明らかにするものである。
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