国際開発学会第35回全国大会・人間の安全保障学会第14回年次大会

講演情報

一般口頭発表

スラム再考:形成の背景と現状、および再概念化

2024年11月10日(日) 09:30 〜 11:30 F304 (富士見坂校舎 304)

座長: 前川 美湖(笹川平和財団)

コメンテーター: 前川 美湖(笹川平和財団), 宮川 慎司(東京大学), 林 玲子(国立社会保障・人口問題研究所)

10:30 〜 11:00

[2D203] 開発途上国都市スラム地域における水衛生環境改善の最適投資手法に関する研究:フィリピン国ボホール州タグビララン市を対象とした水衛生環境改善への最適化投資手法モデルの検討

*富原 崇之1 (1. 東洋大学)

キーワード:途上国、上水道・汚水処理施設整備、段階的整備、最適投資

1.研究の背景およびリサーチクエスチョン 
途上国では経済効果が低い汚水処理インフラへの投資は劣後する傾向がある。後回しにすることで更に、管の敷設等インフラ整備の過大投資となる。個々の都市の発展状況を踏まえ、各汚水処理施設整備管理への適切な投資を行い、段階的に整備する手法が求められる。
2.資料・情報および分析方法
〇資料・情報:
・フィリピン国ボホール州パングラオ島及びタグビララン市における下水道整備に係る情報収集・確認調査(2022 年JICA)
・メトロセブ水道区汚泥管理計画準備調査報告書(2019年JICA)
・新ボホール空港建設に係る持続可能型環境保全プロジェクト(2016年JICA)
・Annual Family Income Expenditure Survey (フィリピン統計局)
・Annual Poverty Indicator Survey (フィリピン統計局)
・Census of Population and Housing (フィリピン統計局)
・家計調査にみるフィリピンの世帯(アジア経済研究所鈴木 有理佳2017年)
〇分析方法:
・汚水処理施設の整わない途上国の、し尿・汚水処理方法を大別(下水道、合併浄化槽、腐敗汚泥槽(維持管理あり、なし)、ピットラトリン)し、経済発展段階に応じた、段階的な整備への、最適な投資による汚水処理環境改善手法を検討する。
・計画期間の各汚水処理施設の普及率を変化させ、上水・汚水処理施設整備・維持管理への投資規模と、公共水域に排出されるBOD量の感度分析を行う。
3.得られた知見
・上水道、汚水処理施設の普及していないフィリピン国ボホール州タグビララン市を対象に、A.汚水処理施設整備目標がは上水道整備目標と同時期に達成される、B.また2倍の時間をかけて達成される感度分析を行ったところ、いずれも汚水処理施設整備目標達成時には公共水域へのBOD排出量基準を下回るものの、Bケースでは計画期間に事業として成り立つことが分析された。
・経済発展状況、上水道普及率(汚水発生量)、汚水処理施設整備率を変化させ、経済性分析とBOD排出量を最小化する点から、最適な投資モデルを提案する。

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