第24回風工学シンポジウム

講演情報

口頭講演

風の性質(2)

2016年12月5日(月) 11:20 〜 12:32 建築会館ホール (建築会館)

司会:日下 博幸(筑波大学)

11:56 〜 12:14

[8] 森林層を考慮した地表面を移動する竜巻状渦の性質

○中尾 圭佑1、服部 康男1 (1.一般財団法人電力中央研究所)

キーワード:ラージエディシミュレーション、竜巻状渦、森林キャノピー、移動竜巻コア

森林などを含む地表面粗度条件における竜巻状渦の数値計算を実施した。草地を想定する粗度要素の低い条件においては、既往の研究と同様に定在竜巻の条件でVortex break-downが確認され、乱流エネルギーなどの値について整合する結果となった。また、移動する竜巻は複雑な三次元性状を取ることがわかった。地表面に森林層を模擬した定在竜巻では、Vortex break-downは発生せず、竜巻のコア半径は大きくなり、上昇流速度は小さくなった。また、乱流エネルギーについても減少し、圧力の極小値も大きくなった。竜巻が移動する条件において、圧力極小値並びに最大スカラー風速の空間分布を可視化した。それによれば、地表面が草地の場合、最大スカラー風速の分布からは、竜巻状渦がらせん状に旋回する様子が確認された。竜巻が部分的に配置された森林層を移動する際の空間分布からは、森林通過時に圧力極小値が大きくなるとともに、新たな圧力中心が形成され発達することが明らかになった。今後、樹木動揺を考慮した森林層のモデルを組み込み、竜巻が及ぼす風倒木影響と、それの気流場へのフィードバックを考慮した竜巻シミュレーションを実施する予定である。