第55回日本脈管学会総会

講演情報

一般演題(口述)

PAD1

2014年10月31日(金) 11:00 〜 11:48 第4会場 (203会議室)

座長: 脇田昇(独立行政法人労働者健康福祉機構 神戸労災病院 心臓血管外科), 布川雅雄(杏林大学医学部付属病院 心臓血管外科)

11:00 〜 11:48

[O-26-4] 閉塞性動脈硬化症に対する運動療法の経験

高橋修司1, 三岡博2, 東茂樹3, 齋藤孝晶2, 外山英志4 (1.静岡赤十字病院 リハビリテーション科, 2.静岡赤十字病院 血管外科, 3.静岡赤十字病院 心臓外科, 4.医療法人社団宝徳会 小鹿病院 内科)

キーワード:PAD, WIQ

【目的】2011年3月より閉塞性動脈硬化症(PAD)に対する運動療法を開始し3年経過した段階で,長期外来運動療法の効果を検討した。【対象】当院の血管外科外来に紹介された下肢閉塞性動脈硬化症(PAD)を有する8症例。薬物療法は必要に応じて降圧剤等を使用。外来運動療法実施期間は2011.3~2014.3(実施期間914~413日)。【方法】運動療法は,週3日実施(3E)群4例(平均年齢75歳),週1日実施(1E)群4例(平均年齢73.5歳)の2群に分類。血圧測定実施後,トレッドミル歩行,自転車エルゴを10~15分×3回実施。3回終了時にも血圧測定を行った。実施回数毎に開始時収縮時血圧(SSBP)終了時収縮期血圧(FSBP)開始時拡張期血圧(SDBP)終了時拡張期血圧(FDBP)開始時脈拍数(SP)終了時脈拍数(FP)の実施回数に伴う相関を調べた(Spearman's correlation)。運動療法の効果判定のため,期間中のWALKING IMPAIRMENT QUESTIONAIRE(WIQ),トレッドミル負荷試験(ガードナー変法)での症状出現時間(COT)歩行中止時間(PWT)を測定。【結果】3E群においてFSBP,SP,FPに負の相関がみられた(P<0.01)1E群においてもSSBP,FSBP,SDBP,FDBP共に負の相関がみられたが,FPに正の相関がみられた(P<0.01)。運動負荷試験では3E,1E群共にCOT,PWT共に延長。WIQ検査合計平均は3E群において一年後に上昇していた(159.8→314.56)が以降低下。1E群においては変化がみられなかった(240→241)。【結語】3E,1E群共にFSBPが低下傾向。3E群においてWIQスコアが一年目上昇し以降低下したのは加齢による筋力,体力低下が推測される。外来監視型運動療法をすすめる場合,週3回実施とした方が望ましいと思われた。