第55回日本脈管学会総会

講演情報

一般演題(口述)

PAD2

2014年10月31日(金) 13:00 〜 13:56 第4会場 (203会議室)

座長: 渋谷卓(関西医科大学附属 枚方病院 血管外科(末梢血管治療科)), 杉本貴樹(兵庫県立淡路医療センター 心臓血管外科)

13:00 〜 13:56

[O-27-2] peripheral vascular disease・難治性潰瘍に対するチーム医療の実践

中村浩彰 (加古川東市民病院 循環器内科)

キーワード:vascular team, critical limb ischemia

【はじめに】2012年7月より,末梢血行障害に対して心臓血管外科,循環器内科,形成外科によるチーム医療を開始した。【診療内容】心臓血管外科,循環器内科,形成外科および看護師,理学療法士,社会福祉士によるチーム回診を週1回行っている。重症虚血肢(CLI)のみでなく,下肢静脈瘤,深部静脈血栓症,リンパ浮腫についてもチーム医療で取り組んでいる。【治療成績】2013年1月~2013年12月の回診症例は50例。年齢 76±9歳,男性 29例。CLI 37例(閉塞性動脈硬化症 ASO 30例,急性動脈閉塞4例,Buerger病1例,Blue toe syndrome 2例),糖尿病性壊疽(神経障害)3例,うっ滞性潰瘍3例,その他7例。ASO CLIの血行再建は,血管内治療(EVT)単独 24例,EVT+distal bypass 1例,graft血栓除去 1例,Ax-femoral bypass 1例,血行再建なし3例。創部の転記は,大切断0例,小切断10例,植皮手術9例。遠隔期死亡 3例であった。【考察】内科と外科の相互理解が深まり,適切な治療方針を選択するように心がけている。この結果,良好な大切断回避率が得られた。また早期のリハビリ,患者指導,在宅支援も充実した。【まとめ】重症虚血肢の治療には,各科の相互理解,コメディカルを含めたチーム医療体制の確立が必要である。