第55回日本脈管学会総会

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一般演題(口述)

PAD2

Fri. Oct 31, 2014 1:00 PM - 1:56 PM 第4会場 (203会議室)

座長: 渋谷卓(関西医科大学附属 枚方病院 血管外科(末梢血管治療科)), 杉本貴樹(兵庫県立淡路医療センター 心臓血管外科)

1:00 PM - 1:56 PM

[O-27-3] Vascular Teamによる難治性足潰瘍の治療戦略

田中慎一, 松本拓也, 井上健太郎, 松原裕, 青柳幸彦, 松田大介, 岡留淳, 森崎浩一, 前原喜彦 (九州大学大学院 消化器・総合外科)

Keywords:foot ulcer, team therapy

【目的】近年,本邦では糖尿病,透析症例の増加と高齢化により,閉塞性動脈硬化症(PAD)の患者数が増加傾向にある。PADの重症虚血肢のうち,特に難治性足潰瘍に対する治療では血管外科のみならず他科やコメディカルとのチーム医療が重要とされる。また2010年4月から保険収載された局所陰圧閉鎖療法も治療の進歩に貢献している。当科で経験した難治性足潰瘍に対する当院の集学的治療を検討する。【方法】当科において2010年4月から2012年4月までに血行再建術を施行された145人180肢の患者のうち,難治性足潰瘍症例に対して集学的治療を施行した11人13肢を検討する。【結果】男性8人,女性3人で平均年齢は67.8歳であった。血行再建術のうち,EVTは2例2肢,バイパス術は9例11肢であり,末梢部の内訳は13肢中10肢が膝下部であった。全例がWOC認定看護師と共同による創部処置管理を受け,局所陰圧閉鎖療法を受けた。追加治療は皮膚科による植皮術が3肢であった。救肢率(1年)は100%で,1年生存率は82%であった。10人/11人(91%)が地域関連病院へ転院し,継続加療やリハビリを受けた。【結論】難治性足潰瘍に対する治療戦略は,当科による血行再建術,局所陰圧閉鎖療法,皮膚科による植皮術,及びWOC認定看護師と共同による創部処置管理そして地域関連病院との連携である。当科のみならず他科及び看護師,そして地域関連病院とともにチーム医療で難治性足趾潰瘍に対する加療を行っている。