第55回日本脈管学会総会

講演情報

一般演題(口述)

ステントグラフト・その他

2014年10月31日(金) 10:28 〜 11:16 第5会場 (201会議室)

座長: 渡橋和政(高知大学医学部 第二外科), 川筋道雄(熊本大学大学院 生命科学研究部 心臓血管外科)

10:28 〜 11:16

[O-32-2] 外傷性胸部大動脈損傷に対してステントグラフト内挿術施行した2症例

中西浩之1, 小林泰幸1, 中井幹三2 (1.岡山赤十字病院 心臓血管外科, 2.岡山医療センター 心臓血管外科)

キーワード:traumatic aortic injury, stentgraft

外傷による胸部大動脈損傷に対してステントグラフト内挿術が有効であった2症例を経験したので報告する。症例1;25歳男性。250ccバイク運転中に乗用車に接触,受傷。高エネルギー外傷にて当院に救急搬送。来院時CTにて両側気胸,脾破裂,胃破裂,胸部大動脈損傷の診断。ICU入室後両側胸腔ドレーン挿入。手術室搬送時ショックバイタル。緊急開腹施行。肝破裂も合併しており肝部分切除,脾摘,胃縫合を施行。十分に洗浄を行った後いったん閉腹。その後再度開腹。胸部大動脈損傷に対してステントグラフトを挿入した。その後血行動態は安定した。術後経過は良好であった。症例2;31歳男性。墜落による多発外傷にて救急搬送。血気胸にて左胸腔ドレナージ。造影CTにて胸部大動脈破裂,骨盤骨折,両下腿骨折の診断にて,緊急ステントグラフト内挿術,創外固定を施行。手術後のレントゲンにて右肺透過性の低下を認め,右胸腔穿刺ドレナージを施行。CTにて右鎖骨下動脈及び脾動脈のextravasationを認め,右鎖骨下動脈ステントグラフト内挿術および脾動脈コイリングを施行した。その後血行動態は安定した。若干の文献的考察を加えて報告する。