第55回日本脈管学会総会

講演情報

一般演題(口述)

その他2

2014年10月31日(金) 13:40 〜 14:28 第5会場 (201会議室)

座長: 村上厚文(国際医療福祉大学病院 血管外科), 西部俊哉(東京医科大学病院 心臓血管外科)

13:40 〜 14:28

[O-34-4] コイリングサポートの初期経験

小川普久1, 西巻博2, 千葉清2, 桜井祐加2, 濱口真吾1, 荒井保典1, 藤原圭史1, 宮入剛2, 中島康雄1 (1.聖マリアンナ医科大学 放射線医学講座, 2.聖マリアンナ医科大学 外科学講座(心臓血管外科))

キーワード:coiling support, embolization

【目的】今回我々は,末梢選択性と安定性を両立させたマイクロカテーテル(コイリングサポートTM)をコーシンメディカル,ハイレックスコーポレーションと共同開発した。その初期経験につき報告する。【対象と方法】2013年9月から2014年4月にコイリングサポートを用いて動脈塞栓術を施行した21例23血管。内訳は肺AVM 4例,EVAR前の内腸骨動脈塞栓11例,TEVAR時の左鎖骨下動脈塞栓3例,B-RTO1例,肝動脈仮性瘤1例,脾動脈瘤1例。コイル留置時におけるコイリングサポートの挙動(安定性),塞栓範囲およびコイル密度につき観察した。また,EVAR前の両側内腸骨動脈塞栓の1例においては,左右をコイリングサポートと他社マイクロカテーテルでそれぞれ分けてコイル塞栓を行い,比較検討した。【結果】全例,合併症なく塞栓術に成功した。デタッチャブルコイルおよびプッシャブルコイルいずれの使用においても,コイリングサポートのキックバックはみられず,安定してコイル留置ができた。また,デタッチャブルコイル留置時にカテーテル先端がわずかにウェイビングすることで,ランダムループ状にコイルが留置され,最小限の範囲で密なコイル塞栓が可能であった。左右内腸骨動脈で比較した例では,コイリングサポートを用いた側では逸脱することなく本幹を密に塞栓できたのに対し,他社マイクロカテーテルを用いた側では一部コイルが外腸骨動脈へ逸脱,回収を要した。【結語】コイリングサポートは安定性に優れ,カテーテル先端がわずかにウェイビングすることでコイル形状ランダム性が増し,密な塞栓を可能にしていると考えられた。今後は,内臓動脈瘤や高度蛇行症例を含めさらに症例を蓄積して検証したい。