第55回日本脈管学会総会

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一般演題(口述)

血管内治療

Thu. Oct 30, 2014 9:00 AM - 10:04 AM 第5会場 (201会議室)

座長: 飯田修(関西労災病院 循環器内科)

9:00 AM - 10:04 AM

[O-8-5] 左鎖骨下動脈狭窄による左上肢コレステロール結晶塞栓症の血管内治療

新名克彦, 早瀬崇洋, 児嶋一司, 横田敦子 (宮崎県立延岡病院 心臓血管外科)

Keywords:subclavian artery, cholesterol embolization

レステロール結晶塞栓症(cholesterolcrystalembolization;以下CCE)は,動脈内の粥状硬化病変の崩壊により針状コレステロール結晶,あるいはフィブリン微小血栓が飛散し,末梢細動脈が閉塞することにより発症する。血管内操作や抗凝固療法が誘因となって発症する例が多い。今回われわれは,特に誘因無く左上肢に発症したCCEを経験,血管内治療にて改善を得たので報告する。症例は,60歳男性。昨年11月より左手掌に皮疹,疼痛が出現,12月に悪化がみられ紹介受診した。皮疹はリベド様で,左肘動脈,橈骨動脈拍動が右側より微弱であった(上肢血圧 右 143/93mmHg,左 127/86mmHg)。血液検査では,BUN 22.9mg/dl,Cre 1.8mg/dl,glucose 114mg/dl,Hba1c 6.8%,CRP 0.46mg/dl,WBC 6640/μl,好酸球10.5%と腎機能障害,高血糖,好酸球増多をみとめた。造影CTにて,左鎖骨下動脈根部に狭窄を認めた。病歴,各種検査にて左鎖骨下動脈狭窄部が原因のCCEと考えた。同狭窄部位にバルーン拡張型ステントを留置を行った。術後より,左肘動脈,橈骨動脈拍動は改善し,左手掌リベドも次第に改善した。上肢でのCCEは比較的まれであり,若干の文献的考察を加え報告する。