第55回日本脈管学会総会

講演情報

一般演題(ポスター)

その他3

2014年10月30日(木) 15:20 〜 16:02 第7会場 (第2練習室)

座長: 谷口哲(弘前大学 胸部心臓血管外科)

15:20 〜 16:02

[P-11-1] 高度進行性強皮症に対し自家静脈内シャントを行った一症例

藤井泰宏1, 大澤晋1, 黒子洋介1, 川畑拓也1, 増田善逸1, 小谷恭弘1, 吉積功1, 新井禎彦1, 笠原真悟1, 堀尾直裕1, 後藤拓哉1, 田邊克幸2, 佐野俊二1 (1.岡山大学病院 心臓血管外科, 2.岡山大学病院 血液浄化療法部)

キーワード:progressive systemic sclerosis, vascular access

【はじめに】強皮症から腎不全に陥り維持透析導入に至る症例は時に経験するが,この度,高度進行性強皮症に対し内シャント作成および維持透析導入を行った症例を経験したので報告する。【症例】49歳男性,以前より3年前より強皮症の診断を受けていたが,ステロイド導入に抵抗感があり,積極的介入がなされていなかった。2014年2月より腎クリーゼを来たし,急性腎不全から透析導入となった。皮膚は前腕部では全周性に高度硬化をきたしており,上腕内側部のみ軽度硬化病変であった。術前超音波検査では橈骨動脈は良好に確認できるが,皮静脈はまったく認めず,皮膚硬化病変のため人工血管シャントも困難な状態であった。このような状態に対し,内シャント作成から段階的に維持透析導入に移行できた。【まとめ】強皮症では皮膚病変の進行度が,透析導入時の手術加療に対しても大きく影響する。今回,我々は高度硬化皮膚病変を来たした症例を経験した。このような症例に対し,段階的なアプローチで維持透析可能になった症例を経験したので報告する。