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[P-19-2] 大腸ポリープEMR後の出血に対し一時的バルーン血流遮断が有用と考えられた2例
キーワード:baloon catheter, gastrointestinal bleeding
【はじめに】消化管出血に対する止血法の第一選択は内視鏡であるが,視野が取れないなど内視鏡的に止血困難な場合,血管塞栓術が選択され,カテーテルを出血責任血管近傍に挿入できれば止血が可能となることが多い。しかし,カテーテルを出血部位近傍に到達できない場合や過度の塞栓により腸管虚血が生じたりなど塞栓術において難渋することもしばしば経験する。我々は大腸ポリープのEMR後に出血をきたし内視鏡的止血に難渋した症例に対し,血管塞栓術を行い止血困難であった症例を2例経験し,バルーン閉塞が有用であったと思われたので若干の文献的考察を加えて報告する。【症例1】60歳代男性。糖尿病,閉塞性動脈硬化症などの既往があり抗血小板剤などを服用中。S状結腸のポリープ切除断端部から持続的出血あり内視鏡的止血を試みるも出血のため視野が不良で止血が行えなかった。ただちに血管造影を行い造影剤の漏出像が認められたが動脈硬化が強く出血部位近傍までマイクロカテーテルの到達ができなかった。このためマイクロバルーンカテーテルで下腸間膜動脈の閉塞を行ないながら再度内視鏡を施行。出血が止まっており視野の確保ができたため内視鏡的に止血術を行い出血のコントロールが可能となった。【症例2】50歳代男性。S状結腸ポリープEMR後,内視鏡的に止血困難であったため血管造影後,出血部近傍の辺縁動脈を金属コイルで塞栓。塞栓後の造影で側副路を介して出血が持続していたためマイクロバルーンで約30分間下腸間膜動脈の血流を遮断。内視鏡で確認したところ止血されていた。【まとめ】マイクロバルーンカテーテルの一時的血流遮断が消化管出血の止血に有用と考えられた。