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[P-28-3] EVAR術後5年目に出現したTypeV endoleakによる瘤径拡大に再手術を施行した1例
キーワード:TypeV endoleak, Aorto Uni Iliac
【緒言】TypeV endoleakは,CTや血管撮影検査では明らかなleakを検出できないが瘤径拡大が持続するものと定義される。今回EVAR術後5年目にTypeV endoleakによると思われる急速な瘤径拡大を認め,ステントグラフト追加留置による再手術を施行した1例を経験したので報告する。【症例】80代女性。2008年に最大短径60mmの腎動脈下腹部大動脈瘤に対しステントグラフト内挿術(Zenith)を施行した。術後フォローにてendoleakは認めず,瘤径も60mmと増大なく経過していたが,術後5年目の造影CT検査で76mmへ瘤径拡大を認めた。明らかなendoleakは認めず,半年後のCT検査では80mmへと急速に瘤径が拡大したため,TypeV endoleakと診断し手術の方針とした。高齢のため耐術能を考慮し,ステントグラフト追加留置で治療を行うこととした。【手術】全身麻酔下に手術を施行した。術中の血管撮影でも明らかなendoleakは認めなかった。まず左大腿動脈からアプローチし,腎動脈直下からZenith Aorta extension,次いでZenith Converter,Iliac legを展開し,前回手術のステントグラフト左脚を全長に覆いaorto-uni-iliac ステントグラフトを完成させた。右脚は下端にIliac plugを留置し閉鎖した。最後にPropaten 8mmを用いて大腿-大腿動脈交叉バイパス術を施行し,手術を終了した。術後7日目に軽快退院し,現在まで瘤径拡大なく経過良好である。【結語】EVAR術後5年目に出現したTypeV endoleakによる瘤径拡大に対して,血管内治療による追加治療を行なった1例を経験した。TypeV endoleakに対する標準的治療は確立されていないが,本術式は治療選択の1つとして考慮されうると考えられたため,文献的考察を加えて報告する。