第55回日本脈管学会総会

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一般演題(ポスター)

その他1

Thu. Oct 30, 2014 3:20 PM - 3:56 PM 第6会場 (第1練習室)

座長: 三岡博(静岡市立病院 心臓血管外科)

3:20 PM - 3:56 PM

[P-5-6] 膝窩動脈外膜嚢腫の自験例2例―術後再発と自然軽快

白川元昭, 西山元啓, 林健太郎 (藤枝市立総合病院 外科)

Keywords:cystic adventitial disease, spontaneuos resolusion

膝窩動脈外膜嚢腫は,よく知られた疾患ではあるが,その成因・臨床経過に関してはまだ不明な点も多い。比較的珍しい経過をたどっている自験例2例を報告する。【症例1】41歳女性,2010年12月ジョギング時に左ふくらはぎの違和感を自覚,その後,間欠性跛行が増悪し,2011年2月,当科へ紹介受診しMRIにて膝窩動脈外膜嚢腫と診断した。膝窩動脈は嚢腫による圧迫で閉塞状態であったため,準緊急で手術を施行し,嚢腫壁の可及的切除で閉塞は解除され,症状は消失した。半年後の画像にて,膝窩動脈周囲に粘液の再貯留を認めたが,動脈壁の圧排所見はなく,症状の再燃も認めないため,経過を見ている。【症例2】56才男性,2012年6月ごろから右下肢痛を自覚するようになり,近医整形外科を受診し,MRIにて膝窩動脈外膜嚢腫を疑われ紹介受診した。画像上,動脈の狭小化もあり加療を勧めたが,仕事の都合で,しばらく外来にて経過を見ることになった。この後,症状の消長を繰り返し,11月には画像上嚢腫壁の自然破裂も指摘された。嚢腫の再増大と症状の再燃があり,仕事の都合に合わせて,2013年4月に手術を予定したが,直前にまた症状が消失し,入院時の超音波検査で嚢腫がほぼ消失していたため手術は中止した。外膜嚢腫において症状の消長が見られることは,これまでも報告例はあるが,嚢腫の消失の報告は数例にとどまっている。両症例共に,MRIにて膝関節包と嚢腫との連続性が認められ,再発や症状の消長との関連が疑われた。特に第1症例において,粘液の再貯留との関連が示唆され,嚢胞壁の切除・開創術を施行する際には瘻孔の閉鎖を考慮するべきと推察している。画像を中心に文献的な考察を加えて報告する。