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[P-6-4] VAIVT前後でのSRPP値の変化
キーワード:VAIVT, SRPP
【背景】近年,透析患者数の増加に伴いVAIVT(vascular access interventional therapy)症例も増加しているが,治療前後での手指SRPP(Skin RePerfusion Pressure)値の変化に関する報告は少ない。【目的】VAIVT前後でのSRPP値の変化について調査する。【対象】2013年12月~2014年5月の間に当院でVAIVTを施行し,治療前後でSRPPを測定した患者を対象とした。なお,血管損傷等により緊急手術を要した症例は除外した。【方法】VAIVTの適応は,脱血不良や静脈高血圧などバスキュラーアクセス(VA)不全を認め,超音波にて50%以上の狭窄を認めた場合としている。SRPP測定にはNahri MV monitor PLUS®を使用し,治療前後でVA肢第3指(手背,手掌)にて測定した。【結果】対象期間にVAIVTを施行した症例は18例21肢あり,血管損傷により緊急手術を要した1例と緊急症例のためSRPPを測定できなかった1例を除外し,16例19肢を対象とした。平均年齢は75歳(男性10例,女性6例),VAについては前腕16肢,上腕3肢,AVF14肢,AVG5肢であった。VAIVT前後のSRPP値の変化については,手背(median[IQR]):55[49-80]mmHg→49[39-58]mmHg,p=0.046,手掌(median[IQR])77[55.5-86]mmHg→66[45.5-72.5]mmHg,p=0.028であり,いずれもVAIVT後で有意に低下した。【考察】SRPP値が変化する理由については,VAの血管狭窄により静脈に流入した高血流の血液が灌流不良となり手指の微小循環灌流圧が上昇していたものが,狭窄解除により灌流圧が低下したためと思われる。SRPP値によるVAの評価ができれば,超音波検査と併せてVAIVT施行時期を判断する上でも参考になると思われる。今回は症例数が少なくVAの部位や種別の検討ができておらず,今後の課題である。