膝下病変に対する治療 (EVT VS Bypass)

[PD-2-4] 膝関節以下病変に対する血行再建 EVT FirstとBypass First

^〇大峰高広, 岩佐憲臣, 山岡輝年 (松山赤十字病院 血管外科)

Keywords:Critical limb ischemia, Below the knee

【目的】当院において始めに膝下病変に対するEVTを行った群(EVTFirst群)と始めに下腿足関節バイパスを行った群(BypassFirst群)の中期長期成績を検討する。【方法】対象は2006年11月-2013年9月にFontaine 3・4度に対し下腿足関節領域の血行再建を行った189例228肢でEVTFirst群(128例166肢)とBypassFirst群(61例72肢)に分け検討した。術前背景・併存症(HT・DM・HL・IHD・CVD・HD)は，二群間に有意な差を認めなかった。one straight line flowを手技的成功とし術後SPP40mmHg以上を血流学的成功とした。【結果】手技的成功率は92.8％/100％であった。血流学的成功は66.7％/94％であった。一肢に対して平均1.5回/1.2回治療が必要であった。平均観察期間は22.6ヶ月でEVTFirst群はバイパス追加が22肢(13％)に必要であった。術後30日以内の早期成績は手術死亡2.3％/0％，大切断4.2％/1.4％であった。2年生存率は52.4％/74.5％でバイパス群が有意に生存率が高かった。多変量解析にて生存率に関与したのは超高齢(81歳以上)・非歩行・低アルブミン血症・透析および慢性心不全の有無であった。【結論】膝下病変に対するEVTは一期的バイパスに不向きと考えられる症例，すなわち適切な伏在静脈がないまたは予後があまり期待できない症例に対しては有効な方法と考えられた。