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[PR-11-4] ASO患者の足趾血圧(TP)測定における局所温めの効果
キーワード:toe pressure, effect of heating
【目的】寒冷地域では足趾血圧(TP)を測定する際,測定困難な場合がある。今回,局所的な温めがTP値にどのような影響を与えるか調べた。【対象と方法】2012年にヘルシンキ大学にてTP検査を施行した46名を対象とした。患者は安静臥位でレーザードプラ法にて上腕と足趾の血圧を同時に測定した。使用機器はPeriflex System5000(PeriMed社)で,この装置のプローブは,皮膚温度の測定や局所の温めが可能である。【結果】46名中Fontain 2(F2)は32名(63肢)Fontain 3(F3)は14名(26肢)であった。平均室温は22.7度であった。F2では通常の状態で測定した場合,63肢のうち1肢は測定できず,足趾の平均皮膚温(T)は23.5度,平均TP(TP)は63.2mmHgであった。カイロを用いて5分程度足趾を温めたのちに測定した場合,全例で測定可能,Tは27.2度,TPは65.3mmHgであった。プローブにて40度に温めて測定した場合,全例で測定可能で,TPは72.9mmHgであった。F3では通常の測定では2肢は測定できず,Tは26.2度,TPは48.1mmHg。カイロの場合,1肢は測定できず,Tは29.5度,TPは54.0mmHg。40度では全例で測定可能,TPは66.4mmHgであった。【考察】F2では皮膚温が上がると有意にTPも上昇し,皮膚温が25度未満と25度以上で比較すると,25度未満のTPが有意に低かった。25度未満では40度に温めると有意にTPが上昇し,25度以上ではTPは変化しなかった。F3では30度までの変化ではTPに有意な変化を認めず40度ではTPが有意に上昇した。また25度未満のTPが有意に低く,40度に上昇するとTPが有意に上昇し,25度以上では40℃に温めてもTPに変化はなかった。TPを測定する際,皮膚温を少なくとも25度以上とする必要がある。