9:40 AM - 10:30 AM
[PR-3-1] 腹部大動脈瘤破裂に対するステントグラフト内挿術
Keywords:EVAR, Ruptured AAA
【目的】腹部大動脈破裂(RAAA)に対する手術は,致死率が高く,救命できたとしてもADL低下する症例が多い。RAAAに対して,開腹下人工血管置換術(Open repair:OR)と腹部大動脈瘤ステントグラフト内挿術(EVAR)を比較検討した。【対象】2010年よりEVARを導入し,2013年5月まで全AAA 305例中 RAAA 47例施行。OR30例,EVAR17例。【手術】ORにおいて血行動態不安定であれば,直接手術室搬送とし,左第6肋間開胸で下行大動脈遮断とし,同時に開腹下で,腎動脈前後で再遮断し,ORを行う。腹部コンパートメントが考えられれば開腹にて退室し,後日閉腹する。EVARは準備に約2時間を要するため,当初は比較的血行動態安定の患者でしたが,解剖学的適応の確認とsizingができれば手術室へ搬入し,局所麻酔下にてocclusion balloon挿入することで血行動態を安定させて,納入を待つことが可能となり,入室が早くなった。バルーンを調節し,型通りEVARを進める。Excluderにて解剖学的に挿入し,endoleakを残さないように,中枢には必ずaortic cuffを挿入した。【結果】OR:EVARにおいて年齢76:81歳,Fitzgeraldの分類1)12:3,2)5:6,3)8:4,4)5:4,mortality10%:0% 手術時間233min:166min,術後退院日数24日:13日も有意に低下した。OR群で腹部コンパートメントになった症例は救命できていない。【考察】当院でのRuptured AAAのMortality3/47(6.3%)で良好であった。EVARは高齢者であるが,手術時間も短く,退院も早かった。ORにおいては腹部コンパートメントを起こした症例は救命できていないため,VAC吸引などの治療方針も検討する必要がある。しかhし,解剖学的にEVAR可能な症例は積極的に適応すべきである。