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[PR-4-3] 大動脈解離に対して急性期及び亜急性期に行ったThoracic endovascular aortic repairの早期成績
Keywords:aortic dissection, endovascular aortic repair
【目的】Complicated type B aortic dissectionに対するthoracic endovascular aortic repair(TEVAR)はClass Iとされてはいるが,未だ問題点も多い。今回我々は急性期及び亜急性期に治療を要した大動脈解離の成績を検討した。【方法】2013年9月以降10ヶ月間に大動脈解離に対してTEVARを行った41例のうち,発症2週間以内に施行した急性期群4例と発症後2週間から2ヶ月の間に施行した亜急性群10例を対象にした。【成績】亜急性期の2例がStanford type Aで,他はすべてtype Bであった。Type Aの1例で上行置換を先行している。TEVARを施行した理由は,急性期群では臓器虚血が1例,急速な大動脈径の拡大が3例,亜急性期群は急速に増大するulcer-like projectionが5例,大動脈径の拡大が5例であった。ULPの5例を含み8例がcomplete exclusion,他の6例は中枢側のEntry閉鎖となった。急性期の1例が病棟にて突然死,1例が手技中の逆行性解離から脳梗塞で転院したほかは皆自宅退院した。フォロー期間は1ヶ月から5ヶ月で,大動脈イベントや死亡は認めない。ULPは全例で消失し,偽腔径の縮小あるいは消失が得られた。Complete exclusionと見なされた症例は全例で偽腔の血栓化が得られた。中枢側のEntry閉鎖を行った6症例のうち,逆行性解離を来した1例のみにEndoleakを認めた以外は,中枢側の血栓化が得られた。【結論】急性期の解離に対するTEVARの成績は不良であったが,亜急性期に施行した症例の短期成績は良好であった。