第55回日本脈管学会総会

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会長要望演題

大動脈解離に対するステントグラフト治療2

Thu. Oct 30, 2014 5:00 PM - 5:40 PM 第2会場 (アイシアター)

座長: 川口聡(慶應義塾大学医学部 外科・心臓血管外科)

5:00 PM - 5:40 PM

[PR-5-2] 胸部大動脈解離に対するTEVAR治療63症例の検討

山本経尚1, 岡克彦1, 坂井修1, 真鍋嘉一朗1, 小林卓馬1, 川尻英長1, 山崎祥子1, 渡辺太治1, 沼田智1, 土井潔1, 後藤智行2, 福本淳3, 高橋章之4, 山崎琢磨5, 高英成5, 神田圭一1, 夜久均1 (1.京都府立医科大学 心臓血管外科学講座, 2.第二岡本病院 心臓血管外科, 3.洛和会音羽病院 心臓血管外科, 4.京都第一赤十字病院 心臓血管外科, 5.京都第二赤十字病院 心臓血管外科)

Keywords:TEVAR, dissection

【はじめに】胸部大動脈解離に対するTEVAR治療に関しては,未だ様々な議論がある。今回,胸部大動脈解離に対する企業製ステントグラフトを用いたTEVAR63症例を対象に検討を行った。【患者】2007年6月から2014年6月の間に,胸部大動脈解離に対し企業製ステントグラフトを用いて治療を行った63症例(男41例,女22例)を対象とした。年齢:68.7±12.2歳(22-89歳)。【手術】手術時期は急性期:2例(malperfusion合併),亜急性期:10例,慢性期:41例。Stanford A型解離(SA)は15症例。全例(100%)にhybrid手術を施行。(一期的hybrid手術: 2例[腋窩-腋窩バイパス(Ax-Ax):2例],二期的hybrid手術:9例 [全弓部置換術+Elephant trunk(TAR+ET):8例,3 debranched:1例],遠隔期hybrid手術:4例 [TAR+ET:1例,TAR:2例,上行大動脈置換術+ Elephant trunk:1例])。Stanford B型解離(SB)は48症例。11例(22.9%)にhybrid手術施行。(一期的hybrid手術:2例 [Ax-Ax:2例],二期的hybrid手術::3例 [TAR+ET:3例],遠隔期hybrid手術:6例 [TAR+ET:6例])。使用デバイスは,TAGもしくはcTAG:58例,TX:3例,Najuta:1例,Excluder cuff:1例。【結果】手技的成功は100%。術後30日内死亡:0例。早期死亡:1例(1.59%)(術後39日目,残存瘤破裂)。早期合併症は,endoleak:5例(type Ia: 2,type Ib: 1,type III:1,type IV: 1)(7.93%),脳梗塞:1例,paraplegia:1例,残存瘤破裂:1例を認めた。このうち1例(1.59%)(type III + Ib)のみ,再TEVARを要した。【結語】胸部大動脈解離に対するTEVAR治療の早期成績は概ね良好であった。我々の中期成績と文献的考察も合わせて発表する。