5:00 PM - 5:40 PM
[PR-5-2] 胸部大動脈解離に対するTEVAR治療63症例の検討
Keywords:TEVAR, dissection
【はじめに】胸部大動脈解離に対するTEVAR治療に関しては,未だ様々な議論がある。今回,胸部大動脈解離に対する企業製ステントグラフトを用いたTEVAR63症例を対象に検討を行った。【患者】2007年6月から2014年6月の間に,胸部大動脈解離に対し企業製ステントグラフトを用いて治療を行った63症例(男41例,女22例)を対象とした。年齢:68.7±12.2歳(22-89歳)。【手術】手術時期は急性期:2例(malperfusion合併),亜急性期:10例,慢性期:41例。Stanford A型解離(SA)は15症例。全例(100%)にhybrid手術を施行。(一期的hybrid手術: 2例[腋窩-腋窩バイパス(Ax-Ax):2例],二期的hybrid手術:9例 [全弓部置換術+Elephant trunk(TAR+ET):8例,3 debranched:1例],遠隔期hybrid手術:4例 [TAR+ET:1例,TAR:2例,上行大動脈置換術+ Elephant trunk:1例])。Stanford B型解離(SB)は48症例。11例(22.9%)にhybrid手術施行。(一期的hybrid手術:2例 [Ax-Ax:2例],二期的hybrid手術::3例 [TAR+ET:3例],遠隔期hybrid手術:6例 [TAR+ET:6例])。使用デバイスは,TAGもしくはcTAG:58例,TX:3例,Najuta:1例,Excluder cuff:1例。【結果】手技的成功は100%。術後30日内死亡:0例。早期死亡:1例(1.59%)(術後39日目,残存瘤破裂)。早期合併症は,endoleak:5例(type Ia: 2,type Ib: 1,type III:1,type IV: 1)(7.93%),脳梗塞:1例,paraplegia:1例,残存瘤破裂:1例を認めた。このうち1例(1.59%)(type III + Ib)のみ,再TEVARを要した。【結語】胸部大動脈解離に対するTEVAR治療の早期成績は概ね良好であった。我々の中期成績と文献的考察も合わせて発表する。