コンクリート工学年次大会2017(仙台)

講演情報

第39回コンクリート工学講演会

A.材料・施工 » アルカリシリカ反応/耐火性

アルカリシリカ反応Ⅰ

2017年7月12日(水) 10:00 〜 12:15 第4会場 (桜2/会議棟2階)

座長:黒田保(土木), 松田拓(建築)

[1138] 高強度PC桁に生じたASRの岩石学的観察とその劣化原因の解明

安藤陽子1, 広野真一1, 片山哲哉1, 久保善司2 (1.太平洋コンサルタント 2.金沢大学)

キーワード:alkali silica reaction, volcanic rocks, metagabbro, rapid-expansive, late-expansive, アルカリシリカ反応, 火山岩類, 変斑れい岩, 急速膨張性, 遅延膨張性

約30年が経過した高強度コンクリートのPC桁に,軸方向に延びるひび割れが多数確認された。ASRの発生は細骨材の火山岩に顕著に,粗骨材の変斑れい岩にも中程度に認められた。使用セメントは早強ポルトランドセメントと推測され,AE気泡のような微細な気泡は認められず,設計基準強度50N/mm2で作製されたため,かなり密実なコンクリートであった。コンクリート全体のアルカリ総量は3kg/m3程度であり,その大半はセメントに由来すると推測された。ASRによる劣化は,主に細骨材の火山岩に含まれる急速膨張性の反応性鉱物に起因し,粗骨材に含まれる微晶質~隠微晶質石英も少量寄与していた。