[2236] マルチスケール統合解析による桟橋上部工の塩害劣化と耐荷力評価
キーワード:capacity、chloride induced deterioration、multi-scale integrated analysis、wharf、マルチスケール統合解析、塩害劣化、桟橋上部工、耐荷力評価
供用開始から30年が経過した桟橋上部工を対象に,マルチスケール統合解析を適用して塩害劣化進行評価を実施した。劣化実態調査結果を参照した予備検証を通して環境条件を設定することで,塩害劣化評価では,材齢30年後に鉄筋腐食によるひび割れが確認され,実構造物で確認された損傷状態と概ね再現することができた。その上で耐荷力評価の一例として,材齢30年時に床版中央を静的に押抜き,塩害による材料劣化後の残存耐荷力評価を実施し,塩害劣化により剛性低下が生じるものの,最大耐力に及ぼす影響は小さいことが分かった。また,腐食の影響により靭性が低下する傾向が確認された。