日本女性骨盤底医学会 第25回学術集会

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一般演題

手術(POP)

手術ビデオ

Sat. Aug 5, 2023 8:45 AM - 9:45 AM Hitotsubashi Hall (Japan Education Center Level 3)

座長:谷村 悟、金城 真実

9:05 AM - 9:15 AM

[1A3V] 腹腔鏡下仙骨腟固定術後の再発はメッシュの外れではない

―ロボット支援による再手術―

○谷村 悟1、松田  美智子1、林 晃輝1、曽根 香穂1、山口 彩華1、本多 真澄1、草開 友理1、草開 妙1、小幡 武司1、吉越 信一1、炭谷 崇義1、南 里恵1、飴谷 由佳1 (1. 富山県立中央病院 産婦人科)

Keywords:仙骨腟固定術再発、子宮頸部延長、ロボット支援下仙骨腟固定術

<緒言> 腹腔鏡下仙骨腟固定術(LSC)の再発では再手術が腟式に行われることが多く、再発の機序は明らかではなかった。また腹式に修復した海外の報告ではメッシュのslip(外れ)が原因とされていた。しかし、私たちがLSCの再発例に対しロボット支援下仙骨腟固定術(RSC)を行った2例では再発原因はメッシュの外れではなかった。
<症例> 2例は子宮頸部のみのメッシュを固定し、腟壁形成をnative tissue repairで行った例であった。子宮頸部の固定部位が延長しレベル1の再発となっていた。病理検査でメッシュの固定部位は外れておらず子宮筋層であった。2例ともRSCで前壁メッシュを張り直した。
<考察>  私たちが経験したLSC後再発2例では従来考えられていた「メッシュの外れ」ではなかった。子宮頸部のみにメッシュを固定した例では広く前腟壁を支えることができなかったため、子宮頸部が徐々に延長した可能性がある。子宮頸部のみに固定した3例中2例が再手術となっており、フランス式の広く腟壁にメッシュを固定する手技の有用性が示唆された。LSCの再発例に対しRSCを行った。鉗子の自由度が高く、繊細な剥離が可能なRSCは有用と考えられた。
<結語> 私たちが経験したLSC後の再発はメッシュの外れが原因ではなかった。このような報告は他にはなく、LSCの適応や手技の改善に有用な知見である。また再手術ではRSCが有効であった