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[2B14P] 腹腔鏡下仙骨膣固定術(LSC)術後、腹圧性尿失禁と膀胱頸部の位置に関する検討
Keywords:経会陰エコー、LSC、腹圧性尿失禁
【目的】骨盤臓器脱に対する手術後に腹圧性尿失禁(SUI)が顕在化することはよく知られているが、術前に認めたSUIが術後消失することもしばしば経験する。しかしそのメカニズムは十分に解明されていない。TVMにおいては閉鎖孔に固定した膀胱頚部付近のメッシュが、TOTスリング様の働きをしているとの報告もあるが、LSCにおいて膀胱頚部はスリング様にはサポートされていない。今回は膀胱頸部の位置に着目し、LSCの前後で膀胱頸部の位置の変化を経会陰エコーで評価し、術後にSUIが改善する要因に関して検討を行った。【対象・方法】LSCを施行した44名の患者に対して術前および術後6ヶ月目に同一検者が経会陰エコーで恥骨前面から膀胱頸部までの距離(Bladder Neck Position: BNP)を測定した。測定したBNPの安静時と怒責時の値の差をとりBND(Bladder Neck Descend)として膀胱頸部の可動性を評価した。BNDについては術後/術前で比をとり、手術による変化を検討した。【結果】術前にSUIを認めたのは18名、認めなかったのは26名であった。LSC術後にSUIが改善した(A群)のは9名で、術後にSUIが増悪もしくは新規に出現した(B群)のは18名であった。BNDの術前後の比はB群では中央値0.94と1に近似しており術前後の変化が乏しかったのに対して、A群では中央値0.41と有意に低い結果であった(p<0.05)。【考察】SUI改善群ではBNDの比が小さくなっていた。つまりSUIの改善にはLSCによる膀胱頸部の可動性の低下が関与している可能性が示唆された。