第55回(2024年度)日本看護学会学術集会

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口演

口演49群 看護提供体制

Sun. Sep 29, 2024 9:00 AM - 10:00 AM 第10会場 (中会議室C1+C2)

座長:三輪 ゆかり

[口演49-4] 看護方式変更における部署分析の一考察

石田 亜矢子, 熊谷 宇多子, 八代 敦子, 井筒 晶子, 武本 かおり (兵庫県立尼崎総合医療センター)

【背景】看護方式とは、効率よく患者・家族に質の高い看護サービスを提供するという看護管理の目的を達成するために編み出された看護単位の組織化である。当院では、2015年の統合編成に伴い、安全・安心な看護体制を構築するため、パートナーシップ・ナーシング・システム(以下PNS)を導入した。しかし、高齢化や他疾患併存患者の増加により日常生活援助を要することが年々高まっている。また、在院日数の短縮化により、手術等の治療や検査で看護師が病棟を離れることが多くなった。さらに働き方の多様化や看護補助者の確保が困難な現状があり、PNSを継続することが難しいと感じるようになってきた。そのため、これまえ27部署中5部署が看護方式の変更等を行っている。看護方式の変更は容易なことではなく、変更に伴い様々な問題が発生すると考えられる。実際に看護方式の変更を行った部署の問題を調査し、あらかじめ対策を講じる必要があると考えた。【目的】看護方式の変更に伴う問題を抽出し必要な対策を検討する【実践内容・方法】看護方式を変更した5部署の看護師長にインタビューを行い、看護方式の変更に伴う問題について聞き取りを行う。聞き取った内容から、看護方式を変更する際の対策について検討する。本報告において所属施設看護部の承認を得た。【結果】インタビューの結果、新人のフォロー体制やOJTに問題が生じ、5部署とも新人看護師に対しては先輩とペアで働く体制に再度変更していた。【考察】業務改善のため看護方式を変更した。しかし、業務改善にとらわれ、変更したことで新人看護師が相談する相手がわからず、不安なまま看護実践をするなど教育体制の問題が抽出された。高度化する医療現場において求められる看護実践能力と看護基礎教育において習得する看護実践能力の乖離が問題視されている。その乖離が新人看護師の離職の一員となっている(2023、辰島)。そのため、新人看護師の現場でのOJTは非常に重要であり、看護方式の変更の際には、新人が年間を通して十分な教育を受けられる方法を検討するべきである。看護方式見直しの際、留意しておくべき点を理解しておくことが必要である。見直す前に検討しておくべき要点について記載したツールの作成について検討し対策を講じる必要がある。【実践への示唆】どの看護方式へ変更する場合にも、新人の教育体制については施設内で十分検討されたマニュアルに沿い、1年を通してOJTが行えるよう考慮する必要がある。