第55回(2024年度)日本看護学会学術集会

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ポスター

ポスター20群 業務改善に向けた取り組み①

Fri. Sep 27, 2024 3:45 PM - 4:45 PM ポスター会場 (展示ホール)

座長:早尾 弘子

[ポスター20-4] 超過勤務時間を削減し働きやすい職場環境をつくる

松尾 竜一, 吉原 康弘 (副島整形外科クリニック)

【背景】我が国の少子高齢化による生産人口の減少、ライフスタイルの多様化を背景に、個々の事情に応じ多様な働き方を選択でき、社会発展を目指す中で「長時間勤務の是正」「正規・不正規の不合理な処遇差の解消」「多様な働き方の実現」を3つの柱とし「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」(働き方改革関連法)が2018年7月に公布され、2019年から順次施行された。これを受けて日本看護協会では「就業継続が看護職の働き方の提案」がまとめられ、働く人の立場や視点から各現場での、労働環境の整備が求められた。A法人(S病棟、E病棟、手術室、外来)では、前述の3つの柱のうち「長時間勤務の是正」を取り組むが外来の超過勤務時間削減ができず、自身の異動を契機にそれを実現するために多様な勤務体系、他部署との連携等を実践したので紹介する。【目的】超過勤務時間を削減することで働きやすい労働環境をつくる。【実践内容・方法】診療開始時間が繰り上げられその時間帯に超過勤務が多いため、医師に了承を得て正規の診療開始時間に戻しスライド勤務を実施する。駐車場、玄関の開錠等の看護職が必要としない業務を他部署に依頼する。(実践期間202X.11~12)①202X.12~202X.11と②202X.12~202X.11の2年間の1人当たりの月平均超過勤務時間、月別看護要員数を比較検討する。今回の研究において、医療法人A倫理委員会の承認を得た。【結果】1人当たりの月平均超過勤務時間は①6.17時間②2.63時間と減少し、月別看護要員数は①25.5人②24.9人と減少する。【考察】葉田は「以前の看護師の働き方といえば、早く出勤し業務の段取りをし、遅くなる人がいれば手伝う」「時間外業務は自己研鑽の範疇」と述べている。私自身も安全に業務するには仕方がないと思っていたが、今回実践することで、看護師が長く働き続けられる労働環境の整備が重要であることを認識することができた。中島は「超過勤務の要因には業務量の問題、業務の質の問題、組織文化の問題がある」と述べている。問題を分析し解決することで看護要員数が減っても、超過勤務時間を削減することができたと考える。【実践への示唆】現在は、診療開始前は2~3名の出勤でその他のスタッフは定時出勤で、診療終了後は最小人員の配置でその他のスタッフは定時退勤するも業務に支障なく、労働環境は改善されている。ただ、超過勤務時間削減により時間外手当も削減し収入減となっている。パート職員については時間給の増額できたが常勤職員に対してはできず、今後は常勤職員に何らかの手当を付けることで、継続的に就業できる職場環境を実現する。