[ポスター4-2] コロナ禍における新人看護師の就業継続に影響した要因
【緒言】202X年度にA病院B病棟に入職した新人看護師5名は、学生時代にコロナ禍により十分な実習を受けずに入職し、コロナ禍による人員不足の状況で就業していた。このような中でも5名は全員が1年間就業継続できた。コロナ禍で学生時代を過ごした新人看護師が就業継続できた要因を明らかにし、今後の新人教育への一助とする。【目的】A病院B病棟の新人看護師が1年間就業継続できた要因を明らかにする。【方法】A病院B病棟の新人看護師5名のうち研究の同意が得られた4名に対し、インタビューガイドを作成し半構造化インタビューを実施した。内容はコロナ禍での実習をどのように感じていたか、コロナ禍で働くことについての思い、入職時どのようなことに戸惑いを感じたか、この1年間で看護師を続けられないと思ったことはあったか、また続けられたのはなぜかとした。逐語録に起こし、就業継続に関する要因をコード化しカテゴリ一分けを行った。本研究への協力は自由意思であることを説明し同意を得た。収集したデータは匿名化しUSBにパスワードをかけて保管した。A 病院倫理委員会での承認を得て実施した(承認番号2023-1)。【結果】インタビューから抽出した対象者の背景より「学生時代は実習が少ないことやコロナ禍で働くことに対して深く考えていなかった」「入職後は多くのスタッフがコロナ病棟に異動し人員不足の中で人に聞きづらく不安だった」とあった。また就業継続できた要因について『』はカテゴリー、<>はサブカテゴリーを記す。『良好な人間関係』は<気にかけてくれる先輩の存在><看護補助者から感じる親切さ><同期との支え合い>、『患者との良い関わり』は<患者からの承認><患者からの優しい声かけ>、『成長と達成』は<先輩からの承認><計画的な仕事の遂行><仕事に対する達成感><自己成長の実感>、『看護師としての責任感』は<仕事に対する責任感の芽生え>に分類した。【考察】対象の新人看護師は背景より、実習の経験不足に対してよりもコロナ禍での人員不足に対する不安を抱えながら仕事をしていた。業務における困難さを先輩の声かけや同期との支え合いによる『良好な関係』や『患者との良い関わり』で優しい声かけをしてもらえたことによって乗り超えていた。さらに『看護師としての責任感』を持ちながら仕事を続け、できることが増えた実感や先輩から認められたことに『成長と達成』を感じていた。このことから先輩や患者との関わりに支えられていると感じること、できたことを認める前向きな声掛けが就業継続に必要であると明らかになった。また、同期と支え合いながら自己成長を実感する喜びが就業継続において重要であったと考える。【結論】コロナ禍における新人看護師は様々な不安を抱えながらも、『良好な人間関係』『患者との良い関わり』『成長と達成』『看護師としての責任感』が就業継続の要因となっていた。