第55回(2024年度)日本看護学会学術集会

Presentation information

ポスター

ポスター54群 看護管理者等の実践・能力

Sun. Sep 29, 2024 9:00 AM - 10:00 AM ポスター会場 (展示ホール)

座長:石川 紀子

[ポスター54-2] 副師長経験3年未満の役割認識と課題

米川 美奈子1, 藤本 真由美1, 藤川 幸子1, 根岸 貴子2 (1.所沢ロイヤル病院, 2.東京家政大学)

【緒言】看護の将来ビジョンでは「看護の質を保証する上で重要な役割を担う看護管理者の育成と支援を強力に推進する」とされている。師長の役割は、組織の運営、スタッフの育成、看護実践の質保証など多岐にわたるが、その役割をサポートすることが副師長である。副師長の思いや管理職としての役割認識を把握し、人材育成の示唆を得ることにする。【目的】管理職経験の短い副師長の思いや管理職としての役割認識を把握し、その課題を明らかにする。【方法】1.研究デザイン:質的記述的研究2.研究対象者:副師長7名3.データ収集:半構成的面接法4.分析方法:インタビュー内容をコード化し、意味内容の類似性に従ってサブカテゴリー化し、さらに抽象度をあげてカテゴリー化した。5.倫理的配慮:研究にあたりA病院倫理委員会の承諾を得て実施した。対象者には個人が特定されないよう匿名化することと情報の管理について、また、学術集会で症例報告として発表することを書面で説明し、同意書をもって同意を得た。【結果】カテゴリーは「」で示す。対象者の概要は、女性6名男性1名、平均年齢45歳、経験年数1年未満4名、3年未満3名であった。インタビューデータを分析した結果、全体で39サブカテゴリ―、9カテゴリーに分類された。副師長としての困難さについて「副師長としての立ち位置や役割がわからない」「スタッフと副師長の境界が不明」「スタッフの調整と業務分担に悩む」が抽出された。病棟管理、スタッフ育成について「副師長としてスタッフに気遣い」「安心できる病棟作りに専念」「成長を見守ることを意識する」「管理職を意識して行動する」や「副師長の役割を学ぶ」が見出された。また、副師長として家族と接する機会が増えることでの「看護師としての喜び」を感じる事が出来ていた。【考察】副師長は、管理的側面とスタッフとしての側面を求められており、副師長としての有り様に悩んでいた。看護管理に対する知識不足のため、副師長としてどの程度まで担う必要があるのか不明瞭かつ不安があり葛藤していた。そのため経験値のある看護実践を優先しており役割不明瞭と考える。また、看護実践の場に近い存在だからこそスタッフの業務負担を軽減したい思いが強くなっていたと考える。しかし、職場環境の改善とスタッフ育成に対し看護管理を学びたいと思う前向きな姿勢がある。副師長は看護師である喜びを感じているからこそ、管理的視点を持つ事と自身の成長が課題だと考えている。【結論】副師長としての役割が不明瞭な中、スタッフの調整と育成、働きやすい職場環境を作ることに注視し、自らも看護管理について学ぼうとしていた。副師長の戸惑いや悩みを共有し支援していく必要性が示された。