第55回(2024年度)日本看護学会学術集会

Presentation information

ポスター

ポスター55群 看護基礎教育②

Sun. Sep 29, 2024 10:30 AM - 11:30 AM ポスター会場 (展示ホール)

座長:山澄 直美

[ポスター55-3] 看護師2年課程(通信制)の学習継続に影響する要因の検討

金川 治美, 中野 順子, 丸岡 洋子, 西森 有理子, 小坂 素子, 高宮 洋子 (神戸常盤大学短期大学部)

【緒言】 看護師2年課程(通信制)は、准看護師が看護師免許を取得する為の教育機関の1つとして2004年に創設された。この教育制度は就労しながら学ぶ事が前提で、学習継続の為に様々な支援が考えられてきた。准看護師の就業状況は大きく変化したが、学習継続に影響する要因についての調査報告は殆どみられない。今回、卒業生を対象として学習継続を困難にした要因と支えた要因について調査し、学生が必要としている支援について検討したので報告する。【目的】 2年課程(通信制)に関する文献から、これまで学習継続に関わると考えられた要因を見出し、これを基に卒業生が考える学習継続に関わる要因を調査し検討する事で、有効な学習支援についての知見を得る。【方法】1、文献検索:医学中央雑誌Web(Ver.5)を用い期間は2023年以前の全てで、「2年課程」[通信制」で検索された文献を精読し要因を抽出した。2、 郵送での無記名自記式質問紙調査 1) 対象:A校看護学科通信制課程の全卒業生2252名 、 2) 調査機関:202X年X月~5か月間、 3)測定用具: ① 入学時の年齢、准看護師としての就業年数等卒業生の状況に関する7項目 ② 文献から抽出した学習継続を困難にする要因と支えた要因14項目 ③ 学習継続を困難にする要因と支えた要因についての記述 4) 分析: ① 文献検索から抽出した要因の影響の検討 ② 文献検索から抽出した要因の年齢別比較 ③ 学習継続を困難にする要因と支えた要因の記述から14項目以外の検討 【倫理的配慮】対象者に研究目的、方法、匿名性の保持、個人情報の保護などを文書で説明し同意を得た。所属する施設の研究倫理委員会の承認を得て実施した。(第23-3号)【結果】1、検索された文献は69編、原著論文18編その他は会議録と解説だった。文献から学習継続に関する要因14項目を抽出した。2、回答のあった620名を対象に分析した。(回収率29.1%) 50%以上が時間的問題と学習課題の難しさが学習継続を困難にし、90%以上が資格取得に対する強い意志が学習継続を支えたとした。年齢別での差はなかった。14項目以外では対面・面接授業を支えた要因とし、モチベーションの維持を困難にした要因と支えた要因は双方から挙げていた。【考察】 今回、文献から抽出した学習継続に影響する14項目の要因は、年齢に関係なく支援が必要である。2年課程(通信制)の学生は成人学習者で、看護師資格を取得するという目的を明確に持っている。学生自身の強い意志が学習継続を支えるという結果から、学生のモチベーションの維持への支援が必要であり、対面・面接授業を活用することが有効であると考える。【結論】本研究で明らかになった学習継続に影響する要因は、学生支援を評価する指標として活用できる。今回はA校での調査結果であり、他の教育機関の把握はできていないが、2年課程(通信制)の学生支援に役立つと考える。