第55回(2024年度)日本看護学会学術集会

講演情報

ポスター

ポスター63群 新興感染症に対する取り組み

2024年9月29日(日) 13:30 〜 14:30 ポスター会場 (展示ホール)

座長:坂本 三智代

[ポスター63-2] 隔離中のCOVID-19患者に対する情報共有シートの有効性

情報共有シートを使用したディスカッションの実際

岩村 芳枝, 百谷 恭代 (大阪府済生会富田林病院)

【緒言】先行研究では退院支援で情報共有の取り組みの評価で情報共有シート使用し「患者の入院前の状態と現状を比較できた」と述べている。A病院のCOVID-19患者(以下コロナ)病棟はA病棟看護師と他部署からの看護師がペアで看護している。独自に作成した情報共有シート(以下シート)を使用し看護ケアについてディスカッションする事で継続看護の一助とする【目的】隔離中のコロナ患者の病状変化に応じた看護ケアのディスカッション時に情報共有シートは有効性があるのか明らかにする【方法】対象:コロナ患者を担当する看護師(研究者を除く)期間:202X年X月~1か月間 入院前と現在のADLと嚥下状態を比較するためのシート及び質問紙を独自で作成。ADLと嚥下についてペアで情報共有しケア内容のディスカッション等を4段階での評価での回答。自由記載を設けた。前半はシートを使用せず勤務終了時に質問紙の回答を得た。後半はシートにADLや嚥下状態変化をレ点でチェックしペアでディスカッシし勤務終了時に質問紙の回答を得た。Mann-WhineyのU検定を用い分析【倫理的配慮】研究対象者に研究目的と方法を説明。質問紙は無記名で回答をもって参加とし、研究結果を院内外で発表する事を説明し同意を得た。本研究はA病院の看護部倫理委員会の承認を得た。(承認番号A-4-4)【結果】シート使用なし24名回答(回収率100%有効回答率92%)シート使用あり23名回答(回収率100%有効回答率96%)「ADLを把握しペアと共有」で出来たが使用なし2名(9%)、使用あり13名(59%)p<00.1「ケアについてディスカッション」で出来たが使用なし4名(18%)使用あり10名(46%)p<0.047「嚥下を把握しペアと共有」で出来たが使用なし2名(9%)使用あり10名(45%)p<0.004「嚥下に必要な介入をディスカッション」で出来たが使用なし4名(18%)使用あり9名(41%)p<0.010でそれぞれシート使用後に有意差があった。自由記載ではシート使用前は「ペアとの相談が業務的な内容が多かった」の回答があった。使用後は「具体的なケアについてディスカッション出来た」「ディスカッションする事で継続した関わりが出来た」の回答があった。【考察】シート使用後に出来たの回答が増えた事は、入院前の状態と現在の変化を捉えやすくなりペア間で援助の方向性について話し合え、シートの使用が継続看護の一助となったと考える。しかし隔離期間後も入院継続となった患者もおり、援助の方向性を話し合う事は出来たが、病状変化に応じた看護ケアを導き出せるようなディスカッションまでには至っていない。入院継続となる問題点をいち早く見つけられるようにアセスメントしながらディスカッションし、回復過程に応じた看護ケア実践に繋げられる事が今後の課題である。【結語】1.情報共有にシートの使用は有効であった。2.シートを使用しADLや嚥下の変化についてペアで把握しディスカッションできた。