[ポスター64-5] 母親が人工呼吸器装着(TPPV)児の在宅療養を意思決定したプロセス
人工呼吸器装着(TPPV)児の在宅移行支援
【目的】人工呼吸器装着児の親が在宅療養を意思決定したプロセスを明らかにし、看護実践への示唆を検討する。【方法】質的記述的研究。研究協力者は人工呼吸器を装着して3年以内の子どもの療養の世話を主にしている母親である。半構成的面接法を用いて、人工呼吸器装着が必要になってから在宅療養の意思決定までのプロセスについてインタビューを行い、逐語録から内容を分析した。本研究は、 A大学研究倫理審査委員会の承認(第2423号)を得て、倫理的配慮に基づいて実施した。【結果】初めて障害児を持つ母親で、在宅療養の意思決定に関するコードは、57抽出され、14サブカテゴリー、4カテゴリーに整理された。出生直後は〔子どもの病状や家族の将来への不安〕を感じ、〈自殺を考えるまでの絶望感〉を抱くが、〔障害を受け入れながらも回復への望みを繋ぐ〕、〔絶望感を乗り越え、家族のために生きていく決意〕をすることができた。そして、〔子どものための気管切開への決断〕を行い、〈夫の支え〉の基に、在宅療養を意志決定するに至った。結果の表記は、カテゴリーは〔 〕、サブカテゴリーは〈 〉で記した。【考察】障害受容を支える看護、障害のある子どもの親としての覚悟を支える看護、気管切開をするか否かの決断を支える看護、親として家で子どもを育てたいという思いを支える看護、以上4項目が重要であることが示唆された。